こんにちは友幸(@humberttomoyuki)です。
靴下には色々な素材が使われていて、素材によって様々な効果がある。
この記事では靴下に使われている素材をまとめて紹介。
気になる足のニオイを防いでくれる「防臭効果の高い素材」も詳しく紹介しているので、靴下選びの参考にしてね。
靴下の素材
靴下の素材には様々な種類の素材が使われている。
まずは素材について確認していこう。
靴下に限らず繊維には大きく分けると以下の2つに分けることができる。
- 天然繊維
- 化学繊維
天然繊維
天然繊維は名前の通り、天然の素材から取ることができる繊維だ。
植物から作られる「植物繊維」と、動物から作られる「動物繊維」の2種類がある。
天然繊維
- 綿(コットン)
- 麻(リネン)
動物繊維
- 毛(ウール)
- 絹(シルク)
綿や麻は植物から採れる繊維を糸状にしたものだ。
動物繊維の毛は羊や山羊など動物の毛を刈って作られ、絹は蚕の糸から作られる。
動物繊維はタンパク質でできているので、塩素系漂白剤などにつけると溶けてしまうので注意しよう。
天然繊維はどれも靴下の素材として使われるが、圧倒的に綿が使われることが多い。
また毛の靴下も多い。
麻と絹の靴下もあるが、他の2つに比べて、数はあまり多くないようだ。
絹は優れた光沢を持っているので昔から高級な素材として使われている。
ただし摩擦には弱いので靴下の素材にはあまり向いていない。
麻は綿より速乾性があるので靴下に向いていそうだが、伸縮性がなく固い。
また速乾性は合成繊維のほうが高いうえ、価格も高いことからあまり普及していないのだろう。
化学繊維
化学繊維は、セルロース(木材パルプ)を原料にして作られた「再生繊維」と、石油を原料にした「合成繊維」の2種類に分けることができる。
再生繊維
- キュプラ
- レーヨン
合成繊維
- アクリル
- ポリエステル
- ナイロン
- ポリウレタン
靴下の素材としては合成繊維のアクリルやポリエステルが使われることが多い。
再生繊維は絹と同じように摩擦に弱いので靴下にはあまり向いていないのだろう。
レディースの薄手の靴下などには、光沢を出すためにレーヨンなどが混じっていることも多い。
よく「化繊は速乾性が高い」と言われているが、それは正確には合成繊維のことを指している。
再生繊維は木材パルプが原料なので、水濡れに弱く速乾性もそこまで高くはない。
靴下の素材は組み合わされて使われる
素材にはそれぞれ長所と短所がある。
そのため、多くの靴下はメイン素材の短所を補うために、上で紹介した素材を様々な比率で組み合わせて作られている。
ユニクロより
例えばユニクロで売られている290円の靴下は以下のような混率になっている。
- 綿:59%
- アクリル:25%
- ナイロン:12%
- ポリウレタン:2%
- ポリエステル:2%
綿の短所を補うために40%ほど合成繊維が使われていることがわかる。
綿は吸水性が高く触り心地もいいが「速乾性が低い」、「洗濯で縮み固くなる」という短所がある。
そこで、合成繊維を混ぜることで速乾性を高めている。
アクリルを混ぜることで洗濯した時の収縮を防ぐこともできる。
ポリウレタンは伸縮性がとても高い素材なので、強度を上げるナイロンなどと一緒に靴下の裏糸として少量使われることが多い。
ユニクロの場合は、ポリウレタンとポリエステルが同じ比率(2%)なのでこの2つが裏糸として使われているようだ。
綿99%、ポリウレタン1%という混率の靴下もよく見かける。
ただし混率が減るとその分、メイン素材の長所が減ってしまうということでもある。
綿の分量が減りすぎると触り心地が悪くなったり、吸水性が落ちたりする。
そのあたりはバランスが大事なのだろう。
防臭性の高い靴下の素材は?
足のトラブルで気になるのが「足の臭い」だ。
そういったニーズを反映してか世の中には「防臭、抗菌効果」をうたった靴下がたくさん売られている。
100均にも防臭効果のある靴下が置いてあるくらいだ。
しかしこれらの靴下を実際に履いてみると、消臭や防臭効果が機能していないことがほとんどだ。
これらの靴下には、抗菌や防臭加工が施された糸が使われているようだが、恐らく全ての糸で使われているわけではなく、一部の糸にだけ加工が施されているのだろう。
だから理論上は効果があるが、実際に使ってみるとあまり効果を発揮しないようだ。
足の臭いの原因
そもそもどうして足が臭うようになるのかというと、足で雑菌が繁殖するためだ。
足が蒸れると、元々足にいた常在菌が汗などをエサに繁殖していき、雑菌が増える。
菌が汗や角質を分解すると「酢酸」などの臭いの元いなる物質が作られる。
普段は菌の量が少ないので臭いは気にならないが、雑菌が増えて菌の数が一定量を超えると人間の嗅覚にもわかるくらいの臭いになってくる。
鼻をつくような足の独特な臭いは、菌が作るという意味では発酵食品と同じものになる。
足の汗自体は本来無臭だが、雑菌に分解されることで臭いを発するようになる。
足の裏は他の部位に比べて汗腺が多く汗をかきやすいので、足はどうしても蒸れやすくなってしまう。
そのため足の臭いを防ぐためには、雑菌が繁殖しないために足が蒸れないようにする必要がある。
防臭目的なら綿の靴下はおすすめしない
足の臭いを防ぐために靴下に防臭性を求めるなら、綿素材の靴下はおすすめしない。
綿の靴下には様々なメリットがある。
- 履き心地がいい
- 耐久性が高い
- 手入れが簡単
- 価格が安い
- 吸水性が高い
しかし吸水性は高い分水を多く含むので、速乾性が低く乾きにくいというデメリットがある。
靴下が汗を吸収しても乾きにくいので、雑菌が繁殖しやすくなり、結果足が臭くなりやすい。
梅雨の時期に部屋干しした服がなかなか乾かなくて生臭くなったことがないだろうか?
靴の中は常に湿度が高い状態なので、梅雨の時期の部屋の中と同じようなものだ。
足は汗をかきやすい上に、靴によって周りを覆われているので、汗を発散することができない。
そんな中で「乾きにくい」ということは、それだけ雑菌が繁殖しやすくなるということでもある。
防臭性を考えるのであれば、綿の靴下は選択肢から外したほうがいいだろう。
また足が蒸れると皮膚が柔らかくなるので、靴ずれの原因にもなる。
よく登山では「綿製品は着るな」といわれているが、理由は「綿が乾きにくい」からだ。
登山中では服が乾かずに汗冷えして低体温症になると、最悪死ぬ可能性がある。
綿の靴下は「履き心地がいい」「丈夫」「安い」などのメリットもあるし、わたしも綿100%の靴下を持っている。
しかし防臭効果を重視するなら、綿素材の靴下はおすすめではない。
綿の靴下をおすすめしない理由
- 乾きにくい
- 足が蒸れる
- 靴ずれの原因になる
防臭効果の高い靴下の素材はウールが一番おすすめ
足が蒸れないようにするためには、基本的には速乾性の高い化学繊維の靴下が最適だと考えられる。
しかし足は上半身などとは違って周囲を靴で覆われているので、サウナのような状態だ。
ランニングシューズなどの通気性の高いメッシュが使われた靴を履いているなら、マシだろうが、速乾性の高い化学繊維の靴下を履いていていも足の蒸れは解消しないだろう。
そこで活躍する素材がウールだ。
ウールには天然の消臭、抗菌効果があるからだ。
ウールは羊が様々な環境で生きていくために作られた天然繊維なので、湿度や体温の調整効果、消臭効果、保温効果などの様々な機能が備わっている。
普通のウールは触るとチクチクするが「メリノウール」と呼ばれるウールは、繊維が細いので触ってもチクチクしない。
「ウールは冬に着る」というイメージがあるが、メリノウールの靴下なら薄手なので、夏でも問題なく履くことができる。
ウールの靴下は化学繊維の靴下に比べると速乾性はどうしても負けてしまうが、綿の靴下に比べると速乾性は遥かに高い。
防臭効果をうたった化学繊維の靴下にはあまり効果を期待できない以上、天然の防臭効果があるメリノウールの靴下が一番いい選択になる。
メリノウールは、アウトドアのベースレイヤー(インナー)として使われることが多いので、モンベルやノースフェイス、パタゴニアなどのアウトドアブランドや、アウトドアショップにいけば必ず置いてあるはずだ。
綿の靴下にするといい値段がするものも多いが、アマゾンでは3足1500円とリーズナブルなメリノウールの靴下も売られている。
メリノウールはそのままだと毛玉になりやすく強度が低いので、強度を高めるためにナイロンなどが混紡されているのが一般的だ。
以前ブログで紹介したダーンタフの靴下も、メリノウールとナイロンが混紡されている。
関連記事:ダーンタフの靴下は生涯保証!破れても交換可能なメリノウールソックス!
ウールの防臭効果
「メリノウールの靴下やインナーは1週間着続けても臭わない」といわれるほど高い天然の防臭効果がある。
荷物を減らしつつ長時間快適に過ごせるため、何泊もテントで過ごすキャンパーや登山者からも人気が高い。
メリンウールには防臭効果の他にも体温調整の効果や保温効果もあり高い機能性を備えている。
アウトドアのベースレイヤーには、各社が開発した様々な最新の化学繊維が使われているが、そのなかにあってメリノウールは昔から高い人気を誇っている。
ウールの防臭性の仕組みは詳しくはまだよくわかっていないらしいが、ウールの繊維には人間の臭いを取り込んで抑える効果があり、人間の嗅覚に臭いが届かなくなるようだ。
またウールの中の「コルテックス」と呼ばれる真皮部分が、アルカリ性と酸性の臭いをそれぞれ打ち消す消臭効果を発揮しているという話もある。
ドライレイヤーソックスを導入すれば完璧
アウトドア製品では近年ベースレイヤー(インナー)の下に「ドライレイヤー」と呼ばれるインナーを着ることで、汗を体から逃して常に体をドライに保ち、快適性を確保するという動きがある。
「ベースレイヤー(1レイヤー)」の下に着るため、「0.5レイヤー」と呼んでいるメーカーもある。
ドライレイヤーは日本のアウトドアブランド「ファイントラック」の「スキンメッシュ」が有名だ。
ドライレイヤーと同じように靴下の下に履く「ドライレイヤーソックス」と呼ばれるものがあり、ファイントラックでも「スキンメッシュソックス」という製品が売られている。
この靴下は強力な撥水加工が施されているのため素材自体に水を含まず、足から水分を遠ざける効果がある。
足を常にドライに保つので、足の蒸れや臭いを防ぐ効果がある。
実験結果を見ると、靴下を重ね着したほうが皮膚の水分量は半分程度に抑えられていることがわかる。
注意点としては、ドライレイヤーソックスは水を含まないようにできているため、速乾性は高いが吸汗性はまったくない。
上着であれば上に着たTシャツが吸汗してくれるが、靴下の場合も同じように重ね着が必須だ。
ドライレイヤーソックスを履く時は、必ずその上に吸汗性に優れたメリノウールソックスなどの靴下を履くようにしよう。
そうすれば完璧だ!
まとめ
- 靴下は様々な素材が組み合わされて作られている
- 綿は速乾性が低いので足が蒸れやすい
- 防臭効果のある靴下はあまり機能しない
- 防臭効果のある靴下はウールがおすすめ
靴下の素材について紹介したよ。
化繊でも防臭効果のある靴下が売られているが、実際に使ってみるとあまり効果を感じないことが多い。
防臭効果を期待するなら、天然の防臭効果のあるメリノウールの靴下が一番おすすめだ。
外回りの仕事が多い人や、スポーツが趣味で活動量が多い人は一度試してみるといいよ。
メリノウールは防臭効果が高いので、靴下以外もおすすめだ。
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