こんにちは友幸(@humberttomoyuki)です。
1年くらい前にゴッサマーギアの「G4」を参考にしてバックパックを自作したんだけど、もともと40リットルのバッグを参考にして作っているので、日帰り登山に使うにはサイズが大きすぎる。
関連記事:ウルトラライトのバックパックを自作する方法【MYOG】
そこで、日帰り登山で使える小型のバックパックを新しく作ることにした。
新しいULザックが完成したので紹介するよ。
小型のULザックを考える
今回は日帰り登山を想定して15リットル程度の小型のザックを作る。
前回作ったバックパックの奥行きが20cmと大きすぎて、日帰り登山程度の荷物の量だと入れたものが全部下に溜まってしまうので、奥行きは10cmとかなり薄くすることにした。
ザックの形も、重心が上に来るように、下に向かってやや細くなるような台形の形状にした。
さらに今回は中のものが取り出しやすいように正面にフロントファスナーをつけることにした。
これはわたしがもともと普段使いにミステリーランチのアーバンアサルトを使っていたので、ガバっと開く大きなファスナーがついていたら使いやすいだろうと考えたからだ。
前回は「サイドポケット2つ」と「フロントポケット1つ」のシンプルなバックパックだったが、フロントファスナーをつけるとフロントポケットが左右で2つに別れてしまい容量が減ってしまう。
そのため、フロントからサイドにつながるポケットを左右に1つずつつけることにした。
ポケットがフロントからサイドまでつながっていれば、本体も側面で切り替える必要がないのでつなげて作ることにした。
ULザックの作り方について
形は多少違うが、ザックの作り方については前回とほぼ同じなので、こちらの記事を参考にしてね。
関連記事:ウルトラライトのバックパックを自作する方法【MYOG】
自作した小型ULザック
完成した小型のULザックはこちら。
重さは背面パッドなしで300g。
パッドありで336gだった。
色々ついている割には軽量な方だろう。
本体とポケットの生地は、以前に自作したサコッシュで使った「ファイバーマックス64」というスピンネーカーの生地だ。
関連記事:自作サコッシュをX-PACでアップデート!【MYOG】
フロントはグレー、背面やショルダーハーネス、ポケットはブラックの生地を使用した。ファイバーマックスのグレーは灰色よりも青みがかった色で青緑のような色をしている。
前回は40デニールのリップストップナイロンで作ったのでペラペラだったが、70デニールのファイバーマックスを使っていて、縫い代もパイピングしているので形がしっかりとしている。
ファイバーマックス自体がハリがある生地なので、40デニールでも問題なさそうだ。
背面は前回と同じくメッシュ生地を使っている。
内部の背面部分には背面パッドをいれるポケットを作り、そこに背面パッドとしてポリエチレンフォームを入れている。
側面部分。
下部にウエストベルト用にループを作ったが、取り外しできるパーツを購入していないので取り付けていない。
小さいザックなのでウエストベルトの必要性をあまり感じないが、必要なら取り付けようと思う。
自作ULザックの詳細
フロントファスナー
正面に取り付けたファスナー部分は、YKKの止水ファスナーを使った。
ダブルジップで開くようにしてあり、ジッパープルも取り付けている。
ファスナーを開けば中のものが簡単に取り出せるのですぐに荷物を取り出したいときに便利だ。
今回はトップも巾着式で開くようにしてあるが、フロントファスナーだけで十分に荷物が取り出せるので、日帰り登山で使うだけなら巾着は別になくてもいいかもしれない。
その場合はトップにウェビングテープを取り付けておけば、外付けすることで容量を拡張できるようにしておくと便利だろう。
ただ荷物が多くてパンパンになるとバッグが膨らんでファスナーが閉まりにくくなるので、その場合は上から入れていったほうがおさまりが良いと感じた。
トップ
トップは前回と同じく巾着式でドローコードを取り付けた。
前回は普通に巾着を作ったが、今回はITW NEXUS社の「Cyberian CL」というプラスチックバーツを使ってみた。
これは引手を引くとフタを開けることができ、コードを引っ張るとフタを締めることができるパーツだ。
普通の巾着式だと開くときに一度コードロックを動かしてからフタを開けるため2アクション必要だが、このパーツだと1アクションでフタを開けることができる。
本当はこのトップ部分も本体生地と同じファイバーマックスで作る予定だったが、生地にハリがあるせいでドローコードを引いても途中で引っかかって最後までフタが締まらなかった。
そのため前回のバックパックに使った40Dのナイロンリップストップを使うことにした。
X-PACのザックでクルクルと巻いて閉じるトップクロージャー式のザックがある。
防水でもないのにわざわざトップクロージャーにする意味がよくわからなかったが、単純に生地が固くてドローコードでは絞れないようだ。
トップに固い生地を使う時はファスナーかトップクロージャーにするしかない。
ポケット
フロントからサイドに取り付けた2つのポケット。
本当ならドローコードで絞れるようにする予定だったが、こちらもトップと同じくドローコードを引いてもうまく締まらかったので中にゴムを入れることにした。
正面のショックコードには、クリップフックを取り付けている。
クリップを外せば、ショックコードをすぐに緩めることができるので、挟んだものを取り出しやすくなっている。
ロールマットを挟めるようにショックコードを長めにとってある。
コードロックからコードエンドまでがブラブラして木の枝などに引っかかりそうなので、もうちょっと短いほうがいいかも。
ショルダーハーネス
ショルダーハーネスの形は前回はG4の型紙を参考にシンプルな直線だったが、今回は曲線に仕上げてみた。
パッドの厚みは10mmと前回と同じだが、容量が少ないので前回より軽量で柔らかいパッドを使っている。
前回はショルダーハーネスとチェストベルトをつなぐ「スターナムバックル」を買うのを忘れてしまいベルトを縫って取り付けたが、今回はITW NEXUS社のスターナムバックルをきちんと取り付けている。
次にバッグを作る時は、トレランザックによくあるベルトに引っ掛けるフック式のバックルを使おうと考えている。
チェストバックルはITW NEXUS社のホイッスル付きバックルを使用した。
笛を鳴らしてみたがそこそこ音が出るので、ピンチのときに役立つだろう。
今回はショルダーハーネスの上にラインロックでスタビライザーを取り付けてみた。
フロントファスナーの上についているループにショックコードを通して取り付けてあり、コードを引くことで、荷物を背中に持ってきて重心を背中に寄せることができる。
ショックコードでロールマットなどの荷物を引っ掛けて固定するという使い方も可能だ。
ただザックの容量が少なく本体もかなり薄いので、スタビライザーの意味があるのかといわれると微妙なところだ。
あとラインロックだと緩めるときに両手を使う必要があるので、スタビライザーは素直にベルトのほうが調整が楽かもしれない。
自作した小型ULザックを使ってみた感想
サイドにいれたドリンクが背負ったまま取り出しにくい
ザック自体の長さが短くなったので、ショルダーベルトを締めた状態だとサイドポケットに入れたドリンクを取り出せなくなった。
ザックを背負ったままドリンクを取り出すには、一度ショルダーベルトを緩めてやる必要がある。
それならザックを背負ったままサイドポケットにアクセスすることを諦めて、ショルダーハーネスなどにドリンクホルダーを取り付けたほうがいいかもしれない。
そうすればポケットも三角形ではなく長方形にできるので、ポケット自体の容量も増やすことができる。
伸縮型のトレッキングポールが上にはみ出てしまう
こちらもザック自体の長さが短くなったことが原因だが、トレッキングポールをポケットに収納すると上に大きくはみ出てしまうので、木や枝に引っかかることがある。
ポールホルダーを背面か、ショルダーハーネスに取り付けて固定したほうがいいだろう。
手持ちのローカスギア「CP3」は伸縮型のトレッキングポールなのである程度長さがあるが、3つ折りのポールならコンパクトになるので問題ないだろう。
関連記事:【初心者におすすめ】ローカスギア「CP3」はコスパのいい軽量トレッキングポール!
まとめ
今回は日帰り登山で使える小型のULザックを自作したよ。
本体は容量が14リットル程度しかないが、日帰り登山ならこれで十分だ。
ポケットをうまく使えば1泊2日程度の荷物なら収納することができる。
しばらく使って改善点を検討してみて、次のバッグを作るときに活かすことにするよ。