こんにちは友幸(@humberttomoyuki)です。
先日、ウルトラライト(UL)のバックパックを自作してみたよ。
わたしはバックパックを自作する前に作り方などを色々なブログの記事で調べてみたが、多くの記事は「作りました。以上」という内容ばかりで全く参考にならない。
情報が少なく断片的なものが多かったので、実際に作る時に、何が必要で何が必要でないか非常にわかりにくかった。
そこで初めてバックパックを作った経験を元に用意した材料や参考にしたサイト、反省点などを具体的に紹介していくよ。
バックパックを自作しようと考えている人はよかったら参考にしてね。
- MYOGとは?
- バックパックのMYOGは意外に簡単
- バックパックを自作するための3つの方法
- 「G4」の型紙の問題点・変更点
- バックパックの材料を用意する
- バックパックを組み立てる
- 自作したバックパックの完成
- MYOGの次回への課題点
- MYOGは楽しい
MYOGとは?
「MYOG(ミョグ、ミョーグと読む)」は「Make Your Own Gear」の頭文字をとった言葉で、アウトドアなどのギアを自作することを指す。
家具などを自作することを「DIY(Do It Yourselfの略)」と呼んで日本にもDIYコーナーなんてものがあるが、それのアウトドアバージョンだと考えてもらえればいい。
MYOGは自作するだけでなく、既存の道具を使いやすくするためにアレンジを加えることも指している。
ようは「自分の使いやすいようにカスタマイズをした道具を作ろう」ということだ。
MYOGは、タープやアルコールストーブなど色々なアウトドアの道具を自作することを指すが、わたしはテントで連泊とかはしないのでバックパックを作ってみることにしたよ。
バックパックのMYOGは意外に簡単
「リュックを自分で作る」というと難しそうだと感じるかもしれない。
わたしも服や靴は作ったことがあるが「バックパックって自分で作れるの?」と思っていた。
しかし実際に試しに作ってみると、思ったより簡単に作ることができた。
リュックは、単純化すれば袋状の本体にショルダーハーネスを取り付けただけのものだ。
ウルトラライトのバッグは内部にポケットなどがほとんどついていない。
極端な話、日帰りの登山用のバッグなら、巾着袋にショルダーをつければかたちになる。
実際にそういった商品も販売されている。
例えば、ゴッサマーギアの「ミニマリスト」 は巾着袋にショルダーハーネスを付けたようなデザインになっている。
以前はマチやサイドのショックコードもついていなかったので、まさに巾着袋だった。
わたしは小学校の家庭科の時間に巾着袋(ナップサック?)を作ったことがあるが、ようはあれにショルダー部分をくっつければ、リュックができると考えてもらえばいい。
デザインにもよるが、形をシンプルにすれば直線で縫うだけなので、縫製もそこまで難しくはない。
リュックをMYOGすることは、初心者でも十分可能だ。
自分で服などを作った経験がある人なら余裕だろう。
バックパックを自作するための3つの方法
リュックを自作するためには、生地やパーツを揃える必要があるが、そのまえに必要になるのが「型紙(パターン)」だ。
先にも述べたとおり、リュックは巾着袋にショルダーハーネスを取り付ければ形になる。
そのため「ショルダーハーネスのある程度の形」さえわかれば、本体部分はなんとかなる。
わたしは試しに「リュックの作り方の本」みたいなタイトルの市販で売られている洋裁本を確認してみた。
ある程度本体を作る参考にはなるが、ショルダーハーネスは簡略化されていてただ直線で作られているだけだったり、パッドがはいっていなかったりしたので、あまり参考にならなかった。
そこでバックパックを自作する3つの方法を紹介するよ。
1.MYOGキットを購入する
自作するためのMYOGキットを販売しているサイトがある。
MYOGキットを購入すれば型紙と生地やパーツが手に入るので、後は縫うだけで作ることができるので、簡単だ。
型紙を引きたくない人はMYOGキットを購入するのがおすすめだ。
MYOGキットで最も有名なのが「レイ・ジャーディン」の「The Ray-Way Backpack Kit」だろう。
The Ray-Way Backpack Kit by Ray & Jenny Jardine
レイ・ジャーディンは、軽量な道具で山道を歩くウルトラライトを提唱した人物で、MYOGの元祖ともいえる存在だ。
市販されているアウトドアグッズは過剰すぎるとして、もっと軽くシンプルな道具を自作しようと提案した。
レイ・ジャーディン、1998年に創業のアメリカのULブランド「ゴーライト(GOLITE)」にも協力をしていてレイウェイバッグとほとんど同じ形状の「Breeze」というモデルが販売されている。
(ゴーライトは2014年にブランドが廃業。現在一部商品で価格が高騰している)
レイウェイバックパックの形はシンプルで、現在のウルトラライトのリュックの原型となっている。
市販されている商品にも、レイウェイバックパックの形を引き継いでいる商品を見かけることも多いよ。
日本にもMYOGキットがあり
「英語だとちょっと・・・」という人は、日本語のMYOGキットを購入するといい。
日本のガレージメーカーである「グレートコッシーマウンテン(Great Cossy Mountain)」がMYOGキットを販売している。
【受注生産品】POP HIKER Simple Pack "MYOG" Kit | GREAT COSSY MOUNTAIN
非常にシンプルな四角形のバッグなので、ミシン初心者でも作りやすいはずだ。
2.手持ちのリュックを参考にする
手元にバックパックがあるのなら、その寸法を参考にして作るという手がある。
すでに使っているものを参考にして作れば間違いが少ない。
わたしは、ミステリーランチの「アーバンアサルト」が手元にあったので、細かいパーツの寸法やテープの長さなど、ある程度参考にした。
ショルダー部分はパッドがはいっているので、少し形がわかりにくいが、長さを測っていけば、型紙を引けないこともないだろう。
バックパックを持っていない人は、メーカーの公式サイトで大まかなサイズを知ることができるので、それを参考にするのもいいだろう。
3.公開されている型紙を参考にする
MYOGがさかんなアメリカでは、MYOGのための型紙を公開しているサイトがある。
中には市販されているメーカーが型紙を公開しているものを見つけることができる。
もっとも有名なのは、GVPギア(現ゴッサマーギア)の「G4」というバックパックの型紙だ。
ゴッサマーギアは、ゴーライトと同じく1998年に創業の老舗のULメーカーだ。
「G4」は、ゴッサマーギアの初期のバックパックで以下のサイトから型紙や縫製方法などを知ることができる。
HOMEMADE ULTRALIGHT BACKPACK - Home made Ultralight Pack
現行モデルとはディテールが少し違う部分もあるが、大まかな形などは変わっていない。
バックパックをMYOGするうえで参考になるのは間違いないだろう。
型紙はアメリカのサイトなので、インチで表記されている。
1インチ=約2.54cmなので、書いてあるサイズを2.5倍にすればいい。
わたしはひとまず「G4」の型紙や作り方を参考にしてバックパックを作ることにした。
しかし上のサイトのまま作ると、使いにくい部分があるので、色々と変更を加えているよ。
「G4」の型紙の問題点・変更点
「G4」は
- テントで連泊するスルーハイカー用に作られている
- ウルトラライト色が強い
という特徴がある。
わたしのように普段使いを考えている者にとっては使いにくい部分もあるので、その点は変更を加えることにした。
あと実際にG4の型紙を使ってみて感じた問題点も紹介しておくよ。
出来上がり寸法がわかりにくい
G4の型紙は、出来上がり寸法ではなく、縫い代を含めた全寸法が書いてある。
普通、型紙は出来上がり寸法に縫い代が付けられた状態で書かれている。
G4の型紙は、出来上がり寸法が書いていないので、縫い合わせる部分の長さが実際にあっているかどうかわかりにくい。
どことどこを縫い合わせるかも、型紙をパッ見ただけだと判断がつきにくい。
他にも縫い代もインチ表記なので、基本的にすべて0.5インチ=約1.25cmとなっている。
このままだとミシンで縫う時に縫いにくいだろう。
わたしは、G4の型紙をみて、縫い代を引いた出来上がり寸法でまず型紙を作り、長さがあっているか確認した。
そして、その後に縫い代を1cmに変更して付け直した。
このほうが組み立てる時に縫いやすくなる。
底部分の長さがあっていない(恐らく)
G4の型紙をそのまま引くと、底部分の長さがあっていないことに気がつく。
具体的には、サイドの底部分の長さが明らかに足りていない。
「G4」は、底の部分が広がっているので、フロントとサイドのボトム部分が途中で斜めになっていて、その分サイドと縫い合わせる部分の距離が長くなっている。
サイドボトムを少し長くしてある(9-7/8”)ので、バック側は長さがなんとか合うが、フロント側は明らかにサイドボトムの距離が足りなくなる。
サイドボトムのフロント側は、丸くするために曲線になっているので距離が短くなっている上に、斜めになった部分で直線距離が広がっているので、数センチ長さが足りなくなる。
わたしは、型紙にアレンジを加えているので、そのまま型紙を引いたわけではないが、恐らく型紙自体の寸法が間違っている。
わたしと同じようにG4の型紙にアレンジを加えた人も、最後に底を縫い合わせる時に縫い代が足りなくて心配だったと書いてある。
I was really worried that I did not have enough material at the bottom of the pack to allow a seam.
MYOG My Modified G4 Backpack Project - Very long post - Backpacking Light
アメリカのパターンは、縫い代が足りなくなるというのはよくある話のようだ。
「G4」もざっくりとしたアメリカンな型紙なので、実際にG4の型紙を使うときは自分で長さを確かめて、足りない部分の長さを合わせてあげよう。
基本は、背中側にあたるバック部分の寸法を基準にして、次にサイド、最後にフロントと長さを合わせていくようにしたほうがいいだろう。
ショルダー部分以外は特に参考にしなくてもいいので、本体部分は手持ちのバッグを参考にして引いてもいい。
背面パッドが表にでる仕組みになっている
G4は構造が特殊で、背面パッドがないかわりに、背面の表側にクローズドセルマットなどを装着できるように作られている。
ゴッサマーギアでは「G4」以外に「ゴリラ」などにも同じディテールが採用されている。
ただバックパックは、内部に背面パッドが入っているのが一般的だ。
普段使いを考えるとこのディテールはあまり必要ではない。
そのためこの部分は省いて、中に背面パッドがはいるような簡単な内ポケットを作ることにした。
生地もバックパックの背面に使われている3Dメッシュを使うことにした。
ショルダーにパッドが入っていない
一般的なリュックには、肩への負担を減らすために、ポリエチレンフォームなど厚みのあるパッドが入れられている。
しかしG4のショルダーにはパッドがはいっていない。
じゃあどうするのかというと、ショルダー部分にベルクロがついていて、ショルダーの中にTシャツやタオルなどを詰め込んでパッドの代わりにするようになっている。
できるだけ荷物を軽量化するというウルトラライトの思想から、ショルダーパッドは排除されてしまっているようだ。
しかし、普段使いするなら、ショルダーにパッドが入っていたほうがいい。
現在のUL系のバックにも、ショルダーにパッドが入っているものがほとんどだ。
わたしはショルダーを変更し10mmのポリエチレンフォームをいれることにした。
パッドに厚みがあるので、ショルダーの型紙も変更する必要がある。
まず基準となるショルダーパッドの形を決める。
ショルダーパッドの形は、G4の型紙の中心線を参考に、ショルダー幅を7cmにして形を作り、下に向かって幅が細くなるようにデザインした。
ショルダーパッドの形を決めた後は、縫い代1cmと0.8cmの合計1.8cmを周囲に付け足した。
0.8cmはショルダーに厚みが出るために追加する分量だ。
ポリエチレンフォームが10mmなので、上下の縫い代で0.5cmずつ足していく。
そのままだと余裕が全くないので、縫い代の重なりなどを考えてさらに0.3cmを追加した。
一度試しにピッタリのサイズで作ってみたが、パッドがいれにくいのと長さが足りないので横にシワができてしまったので余分の長さを追加した。
この追加分は使う生地の厚みによって変えたほうがいいが、今回は使った生地が薄かったので、0.2cmでも良かったかもしれない。
※追記 メッシュ部分がある程度伸びるので、0.1mm追加するだけでもパッドはきちんと収納できた。0.3mmは多すぎるように思う。
わたしと同じようにG4にショルダーパッドを入れた人は詳しいサイズは記載していないが、既存の型紙から少なくとも1インチ(2.5cm)は長さを付け足したと書いてある。
MYOG My Modified G4 Backpack Project - Very long post - Backpacking Light
リュックのデザインを決める
ショルダーの形さえわかれば、本体部分はある程度好きなようにデザインをすることができる。
自分の好きなデサインや素材で作れるのがMYOGの良いところだろう。
自分のバックパックや参考にしたいデザインのリュックのディテールを取り入れて、好きなデザインにしよう。
わたしは今回はどんな感じになるか試しに作ってみるのが目的だったので、本体のおおまかなサイズはG4の形をベースにして、ポケットの位置や形状を少しアレンジした。
- 10cmほど長さを短くする
- サイドポケットを斜めにして、下につける
- フロントの底と底部分をつなげる
デザインは今のUL系リュックでよくみるフロントポケット+斜めになったサイドポケットに変更。
あとはG4の型紙は、バック部分と底が繋がっているが、底のパーツを厚い生地にするために、フロント部分と底をつなげることにした。
G4は縦に長く容量が40リットル以上あり、大きすぎるので長さを10cmほど削って短くした。
一回作ってみると色々な改良点や改善点が見つかるものだ。
今回は試作品なので、デザインはあまり加えず、ベーシックな形にしておいた。
バックパックの材料を用意する
型紙やデザインが決まったら、次は生地やパーツを用意する必要しよう。
わたしがバックパックを作るのが難しいと感じた理由の一つが材料やパーツを揃えるのが難しいと思ったからだ。
バックパックの資材は一般には手に入りにくいものが多い。
しかし、今はネットでパーツを販売しているショップを見つけることができるので、近所で材料を売っていなくても、作ることができるよ。
生地
主に用意する必要がある生地は以下の通りだ。
- 本体:ナイロンやポリエステル
- 底部分:厚手のナイロンやポリエステル
- ポケット:メッシュ生地
- 背面:3Dメッシュ(ダブルラッセル)
- パッド:10mmポリエチレンフォーム
MYOGの生地には「X-PAC」や「DCF」などの高い生地もあるが、初めてバックパックを作るのにいきなり高い生地はおすすめできない。
どうせ修正点や改善点が見つかるので、最初は1m1,000円以下のあまり高くない生地でつくったほうがいいだろう。
底部分は擦れることが多いので、厚手の生地が使われることが多いが、本体の生地が厚手であれば、底部分も同じ生地で構わない。
わたしは以下の場所から生地を購入した。
パーツ | 名称 | 必要な量、個数 | 購入場所 |
---|---|---|---|
本体生地 | 40Dナイロン | 1~2m | Amazon |
底の生地 | 厚手の防水ナイロン | 50~1m | 本町繊維センター街 |
ポケット | パワーネット | 50cm | ユザワヤ |
3Dメッシュ | ダブルラッセル | 50cm | トーキョービニール |
パッド | サンペルカL-2500 | 50cm×50cm | 東急ハンズ |
本体のナイロン生地は、デザインによっても必要な量が変わる。
わたしはAmazonで2mの生地を購入したが結構生地が余った。
G4では本体生地は2ヤードあれば足りると書いてあるので、本体と底の生地あわせて2mあれば十分だろう。
ナイロンやポリエステルは生地屋さんにいけば数は少ないが売っている。
その中から好きなものを選べばいい。
生地の中で入手が難しいのが「3Dメッシュ」と「ポリエチレンフォーム」だ。
40Dナイロン
最初はお試しということで、メインの生地はAmazonで購入した40D(デニール)の薄手のナイロンを使ってみた。
Amazonレビューでも書いてあったが、トレーシングペーパーのようなカサカサした質感をしている。
薄手でスポーツメーカーのナイロンのナップサックなどに使われていそうな生地だ。
端がほつれることもほとんどなく、質感のおかげかナイロンにしてはほとんど滑らないので、非常に縫いやすかった。
生地同士がこすれると、ガサガサ音がしてうるさいので、バッグを開けるときにガサガサ音がするのが欠点。
初めてMYOGをするなら「タイベック」という生地を使うのもありだ。
タイベックはデュポン社が開発した不織布だ。
テントやタープ、グランドシートに使うことができ、MYOGでよく使われる生地だ。
価格も安く、不織布なので端もほつれないし、滑らないので縫いやすい。
わたしも最初はタイベックを使おうと考えていたが、白以外は価格が高いこと、和紙のような質感があまり好きではなかったことから、ナイロンを使った。
3Dメッシュ
3Dメッシュは、リュックの背面やショルダーの裏側についているクッションとメッシュ生地が一緒になった生地のこと。
ダブルラッセルとも呼ぶ。
その辺の生地屋にいけば売ってあるだろうと思ったら意外に売っていない。
一応本町の繊維センター街で見つけたが、おっちゃんに聞いたら、色がベージュしかなく入荷の予定も特にないとのこと。
そこでなんとなく底部分に使う厚手のナイロン生地を買った。
最終的に「トーキョービニール」という東京の資材屋さんからネットで購入した。
サンペルカL-2500
サンペルカL-2500はショルダーパッドや背面パッドとして使うために東急ハンズで購入した。
色々な厚みがあるが、10mmのポリエチレンフォームを購入した。
大抵のUL系のガレージメーカーのリュックには同じようなポリエチレンフォームが使われている。
ポリエチレンフォームは、発泡倍率が低くなると、密度が高くなり重く硬くなる。
「サンペルカL-2500」は、発泡倍率30倍の商品だ。
ショルダーパッドで使うなら発泡倍率は30倍くらいか、もうちょっと柔らかいものがいいだろう。
ポリエチレンフォームはホームセンターに売っていそうな雰囲気があるが、大きさがあまりよいものがなく、最終的に東急ハンズで50cm×50cmのものを購入した。
ショルダーパッドと背面パッドだけならこれだけの量で十分だ。
ポリエチレンフォームはネットでも買うことができるが、生地と違って折りたたみできないので送料が高くなりやすい。
もしポリエチレンフォームが見つからない場合は、ホームセンターで売っている10mmの銀マットの表面を剥がして使ってもいい。
実際にリュックの自作を作っている人で使っている人もいる。
わたしが3Dメッシュや資材を買った東京ビニールでも売っているので、そこでまとめて買ってもいい。
パーツ、資材
MYOGをした時に必要だったパーツや資材は以下の通りだ。
- ナイロンテープ20mm:ショルダーや持ち手部分に
- ナイロンテープ10mm:ショックコードを通すループ用
- ショックコード3mm:ゴム紐。フロントやサイドに。なくても可。
- ドローコード3mm:巾着を閉じるための紐
- ラダーロック:ショルダー部分のテープを調整するパーツ
- サイドリリースバックル:胸の上とトップを留めるためのパーツ
- コードロック:フロントとサイドのショックコードの調整、ドローコードの調整に使用。
- コードエンド:ゴム紐の先を留めるパーツ。なくても可。
- ゴムテープ:ポケットの開口部に使用
ゴムテープ以外のパーツや資材は、3Dクッションを購入することにしたトーキョービニールからまとめて購入することにした。
ゴムテープは手芸屋さんや100均に置いてあるよ。
名称 | 必要な量、個数 | |
---|---|---|
ナイロンテープ20mm | 1mm高密度ナイロンテープ | 約3m |
ナイロンテープ10mm | 1mm4本とじナイロンテープ | 1m |
ショックコード3mm | 反射コード | 約3m50cm |
ドローコード | アウトドアポリエステルコード | 約1m50cm |
ラダーロック | Nifco LL20 | 2個 |
サイドリリースバックル | Nifco JSRB20A | 2個 |
コードロック | Nifco FCL2 | 6個 |
コードエンド | Nifco SCS2 | 1個 |
ゴムテープ | 10mm幅ゴムテープ | ~1m |
ナイロンテープやドローコードは余裕を持って5mで購入しておいた。
ショックコードは日常使いには特になくても問題ない。
いらなければ注文しなくてもいいだろう。
ニフコなどのプラスチックパーツ類はAmazonでも売られているし、ナイロンテープは20mmからであればモンベルなどのアウトドアショップでも買うことができる。
今回は注文していないが、縫い代を覆って綺麗に処理したいなら「グログランテープ」という薄いテープも必要になるよ。
あと今回、スターナムベルトとショルダーハーネスのベルトをつなぐ「スターナムバックル」を注文するのを忘れていた。
あったほうが便利なので用意しておいたほうがいい。
バックパックを組み立てる
型紙を作り終え、パーツが用意できたらいよいよ縫って形を作っていこう。
縫うときは一般的に洋裁で使う道具一式があれば問題ない。
生地を裁断するときは切れ味の良いカッターナイフがあると便利だ。
- カッターマット
- カッター
- 定規
- ミシン
- 糸
今回は試作品であることと生地がほつれにくいこともあり、縫い代の処理を全くしていない。
生地端がほつれる生地の場合は、ロックミシンやジグザグミシンをかけるか、グログランテープなどでパイピング処理を施そう。
型紙を生地に移して裁断する
まず型紙を生地の上に置いて裁断する。
各パーツを型紙の上に置いて、ボールペンやチャコペンで型紙の外側をトレースしよう。
トレースが終わったらカッターナイフで、カットしていく。
慣れている人は型紙を置いてそのままカットしてもいい。
ポリエチレンフォームは厚みがあるので、カットしにくい。
厚みがある分、直角に降ろさないと斜めになってしまう。
真上から角度を付けないように切ろう。
また材質の特性上、一度にカットしないと断面が汚くなる。
ショルダーパッドなどは見えないので極端に気にする必要はないが、あまりボロボロになると本体に形がひびくので、カッターの切れ味をするどくして一度にカットするようにしよう。
ショルダーハーネスを作る
まず最初にバックパックの肝となるショルダーハーネスを作っていく。
ベルトを作る
本体を縫い合わせる前に事前にナイロンテープとショルダー部分に縫い付けていく。
パッドをいれた後だと、分厚すぎてナイロンテープが縫えなくなるので、先に取り付けておく必要がある。
手持ちのミシンで、パッドごとベルトが縫えるなら、一緒に縫ったほうがパッドを固定できるのでそっちのほうがいいよ。
テープの長さは型紙の段階で特に決めていなかったので作りながら調整しているよ。
ショルダー部分に取り付けるのは以下の3つのベルトだ。
- スターナムベルト
- 縦方向のベルト(スターナムベルトを留める)
- ラダーロックをつけるベルト
まずは胸の位置にとりつけるサイドリリースバックルを縫う。
メス側は短めに本体部分の長さを8cm、オス側は調整するために長めに30cmにした。
テープの端は折り返すためそれぞれ3cmずつ長さをとっている。
3cmを2cm折り返してからさらに1cm折り返して3つ折りにしたあと、裏から際にステッチをかけて、縫い代が見えないように処理した。
今回ナイロンテープの端はほとんど同じ処理をしているよ。
- スターナムーストラップ メス側 全長14cm(本体8cm+縫い代3cm×2)
- スターナムーストラップ オス側 全長36cm(本体30cm+縫い代3cm×2)
サイドリリースバックルのメス側を縫い付けたところ。
オス部分も同じように縫えばいい。
オス部分のベルトの先も、同じように3つ折りで処理した。
この部分は、ベルトの先は3つ折りにしてしまうと、バックルに通すときが大変なので2つ折りでもいいかもしれない。
既成品はヒートカットで端がほつれないように処理しているので、2つ折りしてあることが多い。
スターナムバックルを注文するのを忘れていたので、ショルダーストラップとの接続部分も同じよう3つ折りにして2cmの隙間を開けて縫う。
この部分はステッチをかける位置が2cmより少し大きくしないとベルトが通らなくなってしまうので、気をつけよう。
折り返した時にナイロんテープの厚み分距離が短くなるので、ここはもう少し多めに折り返しをとったほうが楽に縫える。
スターナムバックルを注文しているなら、サイドリリースバックルと同じようにつければいいだけなので簡単だ。
スターナムバックルを注文しよう。
ベルトの端4箇所が縫えたら、サイドリリースバックルの縫い付けは終わりだ。
次はスターナムベルトを取り付けるための縦のベルトを取り付ける。
取り付ける位置にあらかじめチャコペンで印をつけておこう。
- ショルダー縦のテープ 全長17cm(15cm+1cm×2)
ここの長さに特に決まりはない。
好みに応じて変更しよう。
ショルダーが曲がる位置あたりにスターナムバックルが来ることが多いので、そのあたりにさえベルトがついていれば後は自由だ。
ベルトの長さが決まったら、折り返して際をステッチすればいい。
両端を縫う前にスターナムベルトを入れるのを忘れないようにしよう。
サイドリリースバックルはメスが左側、オスが右側になるようする。
縦のベルトには何箇所かステッチが入っていることが多いが、今回試作品ということもあり、スターナムバックルの位置が定まっていなかったので、ステッチはしないでおいた。
次に本体にラダーロックを取り付ける。
テープをラダーロックに通して、折り返し2重にして縫っていこう。
出来上がりはこんな感じだ。
※写真では、ラダーロックのテープを通している場所が間違っている。後で修正して付け直した。
ここは負荷がかかりやすい部分なので、しっかりと何度も縫っておいたほうがいい。
縫い代が足りていなかったり、ショルダーストラップを引っ張った時に抜けてしまう。
わたしは縫い代がギリギリだったので、片方ラダーロックが外れてしまったことがあった。
ここは縫い代を多めにとって抜けないようにして、ステッチも長めにしたほうがいい。
3つのベルトが取り付けできたら、ショルダー部分のテープは終わりだ。
ついでにラダーロックに取り付けるショルダーストラップの下部分も作る。
- ショルダーラダーロック下 全長44cm(40cm+縫い代1cm+3cm)
カットしたベルトとショルダーストラップの下につける生地の端を合わせて中表で1cm縫う。
ひっくり返すと形になる。
はみ出ている縫い代は型紙の縫い代のつけかたが間違っているからだ。
負荷がかかるパーツではないので、ステッチはしてもしなくてもどちらでもいい。
一応わたしはコバステッチをかけておいた。
端は今までのベルトと同じように三つ折りで処理する。
このパーツは後で本体と縫い付けることになるよ。
ショルダーハーネス本体を縫う
ベルトが作り終えたら、ショルダーハーネスを本体を縫っていこう。
本体生地とメッシュ生地を中表にして1cm幅で上以外の周囲を縫っていく。
ベルトが先付けしてあるので少し縫いにくいが、ずれないように縫っていこう。
縫わずに残した部分から引っ張り出して、ひっくり返すと形になっているのがわかる。
ショルダーパッドをいれる
ショルダーハーネスが縫えたら、次はショルダーパッドをいれる。
ベルトを取り付けた縫い糸が引っかかる上、ショルダーパッドが滑りにくので、中にいれるのに苦労する。
説明が難しいが、片方の手でパッドと布を固定しながら、もう片方の手で布を少しずつ引っ張っていくと、徐々に中に入っていくよ。
パッドを奥までいれることができたら、ショルダーハーネスの完成だ。
バック本体を作る
ショルダーハーネスができたら、後は本体の袋を作っていこう。
基本的には順番にどんどん縫って形にしていくだけだ。
- バック部分を作る
- ポケットの取り付け
- 各バーツを縫い合わせる
背面側のバック部分を作る
まず、3Dメッシュにショルダーハーネスを取り付ける。
後で上のパーツと一緒に縫うので、仮縫いとして1cm以下の幅で縫っていく。
この部分は他の部分と同じように縫い代が1cmにしていたが、負荷がかかる部分なので、もう少し縫い代をつけるべきだった。
「G4」の型紙では、7.5cmほど重ねて何度も縫っている。
またショルダーパッド厚み分(10mm)、ショルダーハーネスの生地が浮いてしまっているので、縫い代以外にも最低でもあと0.5cmは生地の長さが必要だろう。
両方仮縫いが終わったところ。
次に、バック部分の上のパーツと3Dメッシュを中表にあわせて1cm幅で縫う。
1cm幅で縫った後に、強度を保つために、3回くらい縫い代側でステッチを重ねておいた。
上のパーツをひっくり返したら、際にコバステッチをかけておく。
上のパーツと同じように側面のパーツも中表にして縫う。
この部分を縫う時ショルダーパッドの付け位置と重なっていたので、ミシンの押さえが浮いてしまい、めちゃくちゃ縫いにくかった。
ここは型紙を修正する必要があるね。
上のパーツと同じように側面もコバステッチをかける。
先に作っておいたショルダーストラップの舌部分の三角パーツも1cm以下の幅で仮縫いして取り付けておく。
できてから気がついたけど、この三角パーツの位置は高すぎる。
「G4」の位置を参考に取り付けど、10cmほど高さを削っているのでもっと下に取り付けるべきだった。
背面はある程度パーツがついたのでバックパックぽくなってきた。
持ち手になるナイロンテープも取り付けておいた。
- 持ちて 全長23cm(本体21cm+縫い代1cm×2)
取り付ける幅や長さは手持ちのアーバンアサルトを参考にした。
ただしアーバンアサルトより生地が薄いのでもう少し幅や長さは短くしてよかったと思う。
ポケットを取り付ける
サイドポケットを縫う
次は、フロントとサイドの3つのポケットを取り付ける。
今回ポケットには、パワーネットという縦横に伸びる生地を使い、中にゴムを通している。
ポケットには、ショックコードを入れる方法もあるので好みで変更しよう。
ストレッチがある生地を縫うときは、「伸ばした時に糸が切れにくいようにする」「縫う時に生地が伸びないようにする」必要がある。
- 伸縮性のある糸を使う
- ミシンの押さえ圧力を弱くする
- ステッチ幅を狭くして糸の分量を増やす
などの対策をしておこう。
まずサイドポケットから縫っていく。
まず上部分を2cm幅の三つ折りで縫う。
※写真では押さえ圧力を変えるのを忘れていたので、生地が伸びてしまっている。
押さえ圧力を弱くすればもっときれいに縫えるよ。
次にゴムを出来上がり寸法にカットして、三つ折りした穴にいれる。
※今回、ズボンのウエストなどと同じように出来上がり寸法の95%にしてゴムをカットしているが、特に意味がなかったので実寸で構わない。
ゴムを入れたら、サイド部分に合わせて仮縫いしていこう。
縫うときは、左右のポケットの位置がずれないようにポケットの出来上がり位置にチャコペンで印をつけておこう。
片方が縫えたら、もう片方も同じように縫っていけばいい。
フロントポケットを縫う
サイドポケットと同じようにフロントポケットも縫う。
今回フロントポケットには、左右に5cmずつタックをいれたので、先に布を重ねてタックを縫う。
後はサイドポケットと同じように、上を三つ折りにしてゴムをいれ、周囲を仮縫いしていく。
フロントポケットが取り付けできたら、フロントとフロントボトムを中表にして1cm幅で縫ってしまおう。
ループベルトと内ポケットを取りつける
ループベルトを取り付ける
各パーツを縫い合わせる前に、まだ取り付けていなかったショックコードを通すためのループベルトを取り付ける。
ループベルトには、10mmのナイロンテープを使用した。
- ループベルト 全長5cm(本体3cm+縫い代1cm×2)
ループベルトの数はデザインによってかわるが、今回は、全部で10箇所に取り付けた。
- フロント部分:4ヶ所
- バック部分:4ヶ所
- ボトム部分:2ヶ所
ループベルトを取り付けておけば後でショックコードを取り付けることができるので何箇所か取り付けておいたほうが便利だろう。
バック部分のループベルトはサイドのショックコードを取り付けるのに使う。
特になくてもよかったが、一応底部分にもショックコードが通せるように、ループベルトを取り付けておいた。
背面パッドをいれる内ポケットをつける
背面パッドをいれる内ポケットをバック部分に取り付ける。
内ポケットといっても、バックの型紙を短くしただけだ。
上部分を三つ折りステッチにして、あとはバック部分の中に仮縫いして取り付けておく。
各パーツを縫い合わせる
バックとサイドを縫い合わせる
今回、デザイン的にボトムとフロント部分が繋がっているので、まず最初に、バックとサイドを縫い合わせていく。
G4の型紙を使っている場合、カクカクした部分がめちゃくちゃ縫いにくいので注意。
角度がきついので生地をはさみやすく、縫い直しているとドツボにはまる。
ここは丁寧に縫ったほうがいい。
最初に斜めの角度に合わせて縫いはじめて、2回に分けて縫っていくといい。
縫いにくい場合は、縫い代に切り込みをいれてやると縫いやすくなる。
フロントを縫い合わせる
次は、フロントと先ほど縫ったサイドを縫い合わせる。
サイドの下は曲線になっているので、適当に縫うと長さがおかしくなりやすい。
チャコペンでいくつか印をつけておいて、ズレないように縫っていこう。
あと、ここも先ほど同じでカクカクした部分が縫いにくいので、丁寧に塗っていこう。
最初にサイドとフロントを縫っていき、最後にバックとボトム部分をつなげるようにして縫う必要があるので、何回かに分けて縫っていくといい。
底が縫えたら、裏返せば、ほぼ形になっているよ。
トップの開口部を取り付ける
最後にトップの開口部分のパーツを取り付ける。
トップはファスナーやバックル、ドローコードなどで閉じる方法があるが、今回はG4と同じドローコードによる巾着型にしてみた。
トップの生地を中表にして、縫い止まり位置まで1cm幅で縫う。
今回は1.5cm幅で三つ折りステッチするので、出来上がり寸法の2cm下あたりを縫い止まり位置とした。
縫い止まりより上は1cm幅で折っておく。
※写真では間違って先に三つ折りステッチしてしまってほどいている。
次に表に返して、両端の際のステッチをする。
さらに補強のためとドローコードを入れた時に中の縫い代がでてこないように、三つ折り部分に7mm程度の幅でステッチを掛ける。
ドローコードまわりも利用頻度が高いので、負荷がかかりやすい。
縫い止まり位置はほつれないように、何度か縫っておこう。
後は三つ折りステッチをしてドローコードが通せるようにすればトップ部分は完成だ。
トップを留めるバックルを取り付ける
次にトップを留めるバックルを取り付ける。
フロント側にはサイドリリースバックルのメス側、バック側にはオス側を取り付ける。
このバックルは長さが決まっているなら、先に取り付けておいてもいい。
わたしはメス側だけあらかじめ取り付けておいて、オス側でベルトの長さを調整することにした。
- トップベルト メス側 全長15cm(13cm+縫い代1cm×2)
- トップベルト オス側 全長50cm(46cm+縫い代3cm+1cm)
ベルトの長さは、トップを広げた時の長さを参考にして決めた。
トップの高さが25cmだったので2倍の50cm程度の長さを確保することにした。
縫い方は今までのバックルと同じだ。
メス側は縫い代が重ならないようにずらして取り付けているので角度が斜めになっている。
そのせいで、ベルトの長さが少し足りなくなってしまったので、もう少し余裕を持ってカットしたほうがいいだろう。
トップと本体を縫い付ける
トップとバックル部分の取り付けが終わったら、本体と中表に合わせて縫い合わせる。
縫うときは、脇の縫い代がある部分が、バック部分の中央に来るように合わせて縫おう。
縫い終わったら、そのままだとバックルのベルトが下を向いてしまうので、縫い代を本体側に倒して、コバステッチをしておいた。
ショックコード、ドローコードを取り付ける
最後にショックコードとドローコードをループベルトに取り付けたら完成だ。
ショックコードは、完全に感覚で取り付けたので、細かい長さは測っていないが残っているコードの長さから、大体3.3メートル位使ったようだ。
ドローコードは、G4では120cm(48インチ)となっているので2mあれば十分だろう。
ショックコードはそのままハサミで切れば問題ないが、ドローコードはハサミで切ると、端が広がってしまう。
ドローコードは、接着剤を塗って乾かしてからハサミで切るか、ライターなどで炙って固めてしまおう。
わたしは100均で買ってきたライターで炙って固めた。
溶かしすぎると、ダマになって汚くなるので、あまり火に近づけないようにしたほうがいいよ。
ショックコードとドローコードを通したら、購入しておいたニフコの2つ穴用のコードロックとコードエンドを取り付けた。
最後に25cm×50cmの背面パッドをいれて完成したよ。
自作したバックパックの完成
自作したバックパックの完成形はこんな感じだ。
斜めから見たところ。
本体の容量は35Lより少し大きいくらいだ。
アーバンアサルト(20L)と比べると大分大きいのがわかる。
後で述べるように問題点も多くあるが、はじめて作ったからまぁこんなもんだろう。
実際に背負ってみた写真。
背負ってみた感想は「軽い」に尽きる。
ミステリーランチのアーバンアサルトは強度が高い生地を使っている分、バッグだけで1キロ以上重さがある。
自作したバックパックは生地が薄い分強度は落ちるがその分軽い。
重さを測ったら、背面パッド込みで355gだった。
軽いが、ショルダーストラップを太めに作ったので、肩への負荷が分散されているように感じた。
MYOGの次回への課題点
サイズが思ったより大きい
型紙を引いているときからうすうす気づいていたが、G4の型紙はサイズが結構大きい。
実際のサイズから10cmほど高さを削ったが、それでも本体だけで容量が35リットル以上はある。
生地が薄くて容量が大きいので、背面パッドをいれても、形が崩れやすくなってしまっている。
次に作るときは、もうちょっと小さめにして日常で使いやすいようにしようと思う。
底のマチ部分が維持できず崩れてしまう
底のマチ部分の形がうまく維持できずに崩れてしまい、下に下がってしまう。
そのためマチ分見た目が長くなり、細長い形にみえてしまう。
原因としては、
- サイドボトムに使った生地が薄い
- パイピング処理していないのでマチがうまくできておらず、強度が足りない
- 底の生地の硬さが足りない
- 幅や奥行きが長すぎる
などが考えられる。
一番大きな原因は、サイドの底部分を切り替えせずに40Dの超薄手のナイロンを使ってしまったこと。
サイドの生地が薄いせいで横幅が維持できなり、マチが下がってしまっているのだろう。
G4の型紙を見て「ポケットを下につけるなら、切り替えはいらなくない?」と、サイドの底部分の切り替えを削ってしまったのが仇になった。
ただこれよりも薄い30デニールの生地で作られているバックパックもあるので、型紙や縫い方にも問題がある可能性が高い。
G4は本体の奥行き20cmと長めなので薄い生地だとマチが下がりやすくなるし、グログランテープで内部の縫い代を補強をしていないので、形も維持しにくい。
また今回フロントボトムとボトム生地をつなげて1枚にしたが、別々にして縫ったほうが、底の形が維持しやすかっただろう。
余っているナイロンテープで底やサイドを補強すればある程度マチの形を維持できる王になるかもしれない。
※上のような改善点もあるが、ウルトラライト系のバックはパッキングすることが前提なので、ただ単に荷物が少ないと形が維持できないだけの可能性もあり。
型紙が悪い
今回、G4の型紙を参考にして自分でアレンジを加えて型紙を作ってみたが、縫い代が足りなかったり、縫いにくかったりする部分が多かった。
具体的には以下の部分だ。
- ショルダーハーネスの付け位置の縫い代
- バックのメッシュとサイドのパーツの縫い合わせ部分
- フロントとバッグの斜めの部分
G4の型紙は、フロントとバックの型紙が底に向かって斜めに広がっているが、その部分が非常に縫いにくい。
シェラフをあまり圧縮せずに収納するために、底を広げて容量を多くしているのでこのような形になっている。
ただ、直線の角度が強すぎて縫いにくい。
デザインを気にせずに、底の容量を増やすだけなら、もっとシンプルに、裾に向かって広くなる台形にするとか、直線部分をなだらかに曲線にして繫げていったほうがいい。
特にはじめてミシンを使って、バックパックを自作する人は、本体は縫う箇所を極力減らした四角い筒状にしたほうがいいかもしれない。
MYOGは楽しい
初めて作ったバックパックなので色々課題点や問題点を述べたが、自分で作ったバッグというものは愛着がわくもので、最近は形が崩れても気にせずに背負っている。
容量が大きい割には軽量で、パッドも厚めにしているので肩への負担も軽減されているようだ。
次回は改良を加えてもう少し小型のバックパックを作ってみようと思う。
最後にMYOGの元祖レイ・ジャーディンのサイトから「どうして縫うのか(Why sew)」という箇所を引用しておく。
適当に意訳しているので間違ってたらごめん。
常識に反して、装備を揃えるために道具を買う必要はない。
あなたは自分自身で道具を作ることができる。
自作することで、今日の消費者精神から解き放たれる、途方もない感覚を得ることができる。
それは、あなたの人生にも影響を与えるだろう。
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