こんにちは友幸(@humberttomoyuki)です。
軽量なウインドシェルが色々なアウトドアメーカーから販売されているが、軽量化のために「立ち襟」「オープンファスナー」「ラグランスリーブ」と、非常にスポーティでカジュアルな印象が強い製品が多く、正直、街着としては使いにくい製品が多い。
そんななか街でも山でも使える存在が「ウインドシャツ」だ。
ウインドシェルの機能を持ちつつもシャツの形をしているので、街で普段使いもしやすくなっている。
今回は84gと超軽量なウインドシャツ、カリマーの「ベクターウインドシャツ」を購入したのでレビューするよ。
- カリマー「ベクターウインドシャツ」のスペック・基本情報
- ベクターウインドシャツの外観
- カリマー「ベクターウインドシャツ」の特徴
- カリマー「ベクターウインドシャツ」の気になる点
- カリマー「ベクターウインドシャツ」まとめ
カリマー「ベクターウインドシャツ」のスペック・基本情報
カリマー公式サイトより
- 名称:ベクターウインドシャツL/S
- メーカー:カリマー
- 素材:パーテックス イクイリブリウム
- 重量:80g(実測Mサイズで84g)
- カラー:ブラック、ライトグレー
- サイズ感:大きめ
カリマーの「ベクターウインドシャツ」は、ナイロン製の薄手のシャツだ。
以前から販売されていた製品だが、今期から形状が大きく変わり、より軽量に生まれ変わった。
ウインドシェルの性能がありながら襟がついていて街着としても使いやすそうだったので、発売前から注目していた製品だ。
カリマーは昔からあるアウトドアブランドだが、最近はスタイルブックがやたらお洒落になっていて、失礼ながら個人的にポイントが上がっているブランドだ。
スタイルズ | karrimor カリマー | リュックサック・アウトドアウェア | karrimor official site
ベクターウインドシャツの外観
後ろ身頃が長いダウンテール
ベクターウインドシャツは普通のシャツとは違い、前身頃の裾が直線になっていて、後ろ身頃が前身頃よりも長い「ダウンテール」になっている。
これはサイクリングウェアによくみられる仕様で、しゃがんだ時や前傾姿勢をとった時に裾が浮いて背中が出るのを防ぐ効果がある。
一般的なシャツはパンツにタックインをするために、前身頃も長めで脇に向かってカーブを描いているが、ベクターウインドシャツはタックアウトが前提なので、前身頃が短くブルゾンのように直線になっている。
シャツという名前がついているが、裾の形はブルゾンに近くシャツジャケットのような感じだ。
ベクターウインドシャツは、以前のモデルではプレーンなシャツの形状をしていたので、今季から形状が大きく変わっている。
ボタンはスナップボタン
ベクターウインドシャツのボタンは開閉がしやすいようにスナップボタンになっている。
以前のモデルは普通のボタンだったが、登山用のシャツは利便性を優先してスナップボタン式のものが多いため、今季からはスナップボタンに変わっている。
スナップボタンであれば、片手で簡単にボダンを外すことができ開け閉めが楽なので、よりアウトドア向きのシャツになった。
ボタンはカジテック社の「SUN TENAC」が使われている。
この手のスナップボタンには同社の「SUN GRIP」が使われることが多いが、軽量化のためにより小さいSUN TENACが使われている。
胸ポケットは面ファスナー付き
一般的なシャツと同じように、左胸にはポケットが1つついている。
ポケットは普通のシャツより大きめで深さがあるので、スマホがすっぽりと収納できる大きさがある。
またしゃがんでも物を落とさないように、ポケット口には面ファスナーがつけられている。
ただし面ファスナーの面積は少なめなので、小銭などの小さなものはポケットの隙間から落ちてしまう可能性がある。
またパッカブル仕様ではないが、シャツ全体をポケットの中にいれることでコンパクトに収納することも可能だ。
裾にドローコードあり
裾にはドローコードがあり、ゴムの先についているシリコン製のストッパーを引っ張ることで、裾を絞ることができる。
裾を絞っておくことで下からの風が強い時に、裾から風が入るのを防ぐことが可能だ。
またシルエット的にも裾を絞ることで、シャツをタックインしたようなシルエットになるので、街で利用する際にも変化が楽しめる。
ただ個人的にはブルゾンの裾にあるドローコードは使った試しがないので、別になくてもいいかも。
縫い代はロック始末
ベクターウインドシャツは軽量化のためにロックミシンで縫い代が処理されている。
一般的なシャツは縫い代が見えないように縫い代を折り込んで縫う「折り伏せ縫い」で縫われることが多い。
折り伏せ縫いは、丈夫に縫うことができるが、4枚の生地を重ねて縫うため縫い代に厚みができて重くなってしまう。
ベクターウインドシャツは軽さを優先しているため、端処理もロックミシンで処理しているようだ。
カリマー「ベクターウインドシャツ」の特徴
「パーテックス イクイリブリウム」を使用している
ベクターウインドシャツには、「PERTEX EQUILIBRIUM(パーテックス イクイリブリウム)」という素材が使われている。
「Pertex」は素材のブランド名で、他にもレインウェアに使われる防水素材の「SHIELD」や軽量でダウンやシェラフの表地に使われる「QUANTUM」などが有名だ。
EQUILIBRIUMは、表は密度が高く、裏はゆるめに織られた2重構造の生地だ。
防風性がありながら透湿性が高い生地で、表と裏で織り方を変えることで毛細管現象で水分を吸い出し、内部に溜まった水分を素早く外に出す効果がある。
実際に生地の裏側をみてみると、横向きに膨らみのあるラインができているのがわかる。
これが2重織りの裏側部分だ。
生地が厚くなると、生地全体にこの凹凸が配置されるが、ベクターウインドシャツは薄手の生地が使われているので裏側はほんの一部分だけに二重織りの裏部分があるようだ。
二重織りの面積は少ないが、この凹凸があることにより生地が肌にベトつくのを防いでくれる効果がある。
防風性がありながら、汗抜けがよく肌にベタつきにくい素材なので、ウインドシェルの防風性の高さゆえの汗抜けの悪さを解消してくれる素材だ。
参考リンク:Equilibrium | Pertex(英語)
ストレッチ性があり動きやすい
「PERTEX EQUILIBRIUM」は、防風性のある密度の高い生地ながら、ストレッチ性があるため、
軽量ながら体が動かしやすくなっている。
ただし密度が高い生地なので伸縮性はそれなりで、手で引っ張ってみても、ものすごい伸びるという感じではない。
ただ着ていて腕を伸ばしたときなどに、突っ張り感がないので、ストレッチ性がある効果は感じられる。
ストレッチ性については、以前紹介したマウンテンハードウェアの「ディプシートレイルウインドパンツ」の素材に近いものがある。
関連記事:マウンテンハードウェア「ディプシートレイルウインドパンツ」レビュー
シャツながら84gと非常に軽量
ベクターウインドシャツは、公式サイトに掲載されている重量が80gと非常に軽量だ。
実際に量ってみたところ、Mサイズで84gだったので、恐らくSサイズだと80g程度になるだろう。
他社のウインドシェルと比較しても、人気の高いパタゴニアの「フーディニジャケット」が105gだ。
フード付きということもあるが、比較すると20g以上軽量ということになる。
裾のドローコードを外したり、フロントポケットを省けば、さらに軽量になるだろう。
サイズ感は大きめ
ベクターウインドシャツは、ウインドジャケットとしてミドルレイヤーの上から羽織ることを想定して作られているためか、一般的なシャツに比べてサイズが大きめに作られている。
175cm、体重63キロ程度でMサイズを着ているが十分ゆとりがある。
他のウインドジャケットと比較してみると、手持ちのモンベルの「EXライトウインドジャケット」のLサイズが身幅114cmだった。
関連記事:モンベル「EXライトウインドジャケット」レビュー!【世界最軽量45g】
これはベクターウインドシャツのMサイズと同じ身幅だ。
さらにベクターウインドシャツはストレッチ性があるので、同じサイズでも体が動かしやすくなっている。
カリマー「ベクターウインドシャツ」の気になる点
カラバリが少ない
2020年春夏のベクターウインドシャツはカラバリが少なく「シルバーグレー」と「ブラック」の2種類しかない。
「シルバーグレーは薄い色だから汚れが目立つし、黒は虫に刺されそうだし暑そう」みたいなわがままなユーザーのためにもう少しカラバリがあるとありがたい。
以前は「チャコール」「ネイビー」「ターコイズ」「オリーブ」の4種類があったので次回はカラバリが4種類くらいあるとありがたい。
カリマー「ベクターウインドシャツ」まとめ
カリマーの「ベクターウインドシャツ」は、軽量でストレッチ性があるナイロンシャツだ。
形状がシャツなので街でも使いやすいし、アウトドアでもウインドジャケットの代わりとして使うことができる。
長袖Tシャツよりも軽いので、着替えとして持っていくのもありだ。
シャツ襟がついていてボタンがついているので、普通のウインドジャケットと比べてもスポーティすぎず街で使いやすくなっている。
街でもアウトドアでも使える軽量なシャツを探している人におすすめの製品だ。