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タイベックとは?生地の特徴やデメリットを紹介!

タイベックとは?生地の特徴やデメリットを紹介!

こんにちは友幸(@humberttomoyuki)です。

 

タイベックは紙に似た質感を持つ生地で、アウトドアギアの制作(MYOG)に使われることも多い素材だ。

 

今回はタイベックの特徴やデメリットについて紹介するよ。

タイベックとは?

タイベックとは?

タイベックは、アメリカのデュポン社が独自開発した高密度ポリエチレン不織布のことだ。

0.5~1.0ミクロンの高密度ポリエチレンをランダムに絡み合わせて、熱と圧力で圧着した不織布になる。

 

タイベックは透湿や防水シート、遮熱シートなど建築資材に多く使われている。

中でも建築資材の「タイベックハウスラップ」は、日本では400万棟、全世界で1000万棟以上の住宅に使用されている実績がある。

 

建築資材以外にも防護服や農業用資材など様々な分野で利用されていて、汎用性の高い素材だ。

 

建築資材として住宅に使われることの多い素材だが、「軽量」「水に強い」「通気性がある」「耐久性が高い」といった特徴があるため、アウトドア製品やMYOGに利用されることも多い。

タイベックの特徴

和紙のような独特の風合いをしている

タイベックは薄い不織布で、和紙のような独特の風合いがある。

その見た目を活かして、一見紙で作られているようなポーチや財布などの小物に使われることが多い。

 

ポリエチレン100%でパルプ繊維を原料にした紙に比べて丈夫なので、バッグや衣類など和紙では強度が保てず作るのが難しい製品も製造可能だ。

 

また使っていくうちにシワが入っていくので、クタッとして独特の風合いになるのも面白い素材だ。

約60gと軽量

タイベックは非常に軽量なのも大きな特徴だ。

  • タイベックハウスラップソフト:58g
  • タイベックハウスラップハード:61g
  • タイベックシルバー:59g

どの素材も1平方メール当たりの重量が約60gとなっている。

厚さも0.2mmと薄い。

透湿性がある

タイベックはポリエチレンを熱で圧着して作られているので、生地自体に透湿性(通気性)がある。

透湿性は、内側にたまった水蒸気を外に逃がすことだ。 

 

アウトドアで使われている軽量素材の「シルナイロン」や「キューベンファイバー(DCF)」は表面をシリコンや樹脂でコーティングしているので透湿性がないが、タイベックはポリエチレンを熱で圧着しただけなので透湿性が確保されている。

 

タイベックハウスラップの他、裏にアルミが蒸着されているタイベックシルバーも透湿性があり、内部の水蒸気を外に出すことができる。

リサイクルできる

タイベックはポリエチレン100%の素材なので、汚れが付着していなければそのまま別のポリエチレン製品の原料としてリサイクルすることができる。

公園のベンチや固形燃料の原料として使用されている。

価格が比較的安く手に入れやすい

タイベックは比較的価格が安く、個人でも入手がしやすい。

Amazonや楽天などのネットショップでも、1mあたり700円程度の価格で購入することができる。

 

また建築資材として利用される「タイベックハウスラップ」であれば、50mを6000円台で購入できる。

日本語でロゴがプリントがされているので利用用途は限られるが、1mあたり120円程度とかなり安く購入することができるのでお得だ。

テントのグラウンドシートや、タープなど大きな面積が必要なものを自作する時に使うといいだろう。

 

同じポリエチレンで作られている不織布のDCF(キューベンファイバー)は、価格が高く基本的に海外から購入しないと入手できない。

キューベンファイバー(DCF)とは?生地の特徴やデメリットを紹介! 

 

価格がリーズナブルで入手が容易なのもタイベックの良い点だ。

タイベックのデメリット

耐水圧はあまり高くない

タイベックは、耐水圧はあまり高くはない。

タイベックの耐水圧は以下のようになっている。

  • タイベックハウスラップソフト:19.6KP以上
  • タイベックハウスラップハード:17KP
  • タイベックシルバー:19KP

タイベックの耐水圧は 「KP(キロパスカル)」で表記されているが、レインウエアなどの耐水圧は「mm」で表記されることが多いのでわかりにくい。

 

1KPはおよそ101.97mmなので、mmに換算してみると以下のような耐水圧になる。

  • タイベックハウスラップソフト:約1,988mm
  • タイベックハウスラップハード:約1,733mm
  • タイベックシルバー:約1,937mm

 

タイベックはおよそ2,000mm程度の耐水圧があることがわかる。

これは中雨程度であればしのげる程度の耐水圧となる。

  • 嵐:20,000mm
  • 大雨:10,000mm
  • 中雨:2,000mm
  • 小雨:300mm

参考リンク:お客様センター | ブリヂストンスポーツ株式会社

アウトドアメーカーのレインウエアは耐水圧が10,000mm以上の製品が一般的だ。

比べるとタイベックの耐水圧は決して高くなく、1ヶ所に圧力がかかると水が染み込む可能性が高いのでレインウエアには向いていない。

 

また75キロの人が座ると2,000mmの圧力がかかり、膝をつくと11,000mmの圧力がかかるので、雨の日にグランドシートだけで使った場合、座ったところから水が染み込んでくる可能性がある。

 

生地をピンと張った状態であれば張力が働くので、耐水圧が低くても雨を凌ぐことができる。

一般的な傘の生地の耐水圧は500mm程度だが、雨をしっかりと弾くことができるのは張力が働いているためだ。

タイベックは耐水圧があまり高くはないが、張力が働くタープやテントに使用すれば、ある程度雨をしのいでくれるだろう。

重さの割にかさばりやすい

タイベックは軽量な素材だが、シルナイロンなどのしなやかな素材に比べるとハリがあり軽量な割に案外かさばりやすい。

ビニールシートをイメージしてもらえばわかりやすいだろう。

摩擦で表面が毛羽立ってくる

タイベックは、引き裂き強度などは高いが、摩擦にはあまり強くはない。

ずっと使っていると摩擦がかかりやすい部分が毛羽立ってきて、毛玉ができてくる。

スタッフサックなど圧力がかかりやすいものに使用すると毛羽立ちやすいので注意しよう。

タイベックを使った製品

タイベックを使った製品は、紙のような見た目を活かしてデザインされているものが多い。

方向性としては

  • 紙で作られているものに似せて作る
  • 紙では普通は作らないものを作る

の2種類がある。

本来タイベックは白色だが、紙袋に似せるためにクラフト紙のような茶色に染められた製品が多い。

タイベックランチバッグ|パール金属

パール金属のタイベックを使用したランチバッグだ。

一見ただの紙袋のように見えるデザインだが、表素材はタイベック、裏は保冷、保温効果の高いアルミシートが使われているので、丈夫で保温性も高い。

 

開口部にはベルクロがついているので簡単に開閉することができる。

はたから見ると紙袋から食べ物を取り出すように見えるので、日常でも馴染みやすく取りれやすい製品だ。

タイベックバックパック|AntiqCafe

タイベックで作ったアンティカフェのバックパックだ。

形はプレーンなバックパックで、外側に大きなポケットが1つあり、背中にはメッシュクッションが取付けられている。

 

こちらは紙袋に似せたランチバックと違い、普通は紙では作らないリュックをタイベックで作った製品になる。

一見紙袋で作ってあるように見えるので形はシンプルだがインパクトのある製品だ。

タイベックの生地について

タイベックを作ってシートや小物を作りたい人は生地を購入しよう。

 

タイベックの生地は、Amazonや楽天などのネットショップで購入することができる。

ネットショップで売られている生地は1m幅のものが多いので、グランドシートなどの大きな物を作る場合は繋げる必要があるよ。

 

1Mあたりの値段で考えると建築資材として使われている「タイベックハウスラップ」が安い。

1Mあたり120円程度で購入できる。

ただし日本語でロゴがプリントされている点と、50メートルと量が多いのが難点だ。

 

色々な物を作るならいいが、小物を少し作りたいならあまり向いていない。

海外のタイベックを輸入するとロゴが英字になるのでグッとおしゃれになるが、購入までのハードルは高くなる。

 

ロゴがない無地のタイベックも売られているので、プリントが気になる人は無地の生地を購入するといい。

タイベックまとめ

  • 紙のような質感がある
  • 軽量で丈夫な素材
  • 価格も安く手に入れやすい
  • 耐水性はそこまで高くない

タイベックは軽量で丈夫な素材で入手もしやすいことから、グランドシートやタープ、シェラフカバーを自作する時に使われることが多い素材だ。

 

紙のような質感を活かして、ランチバッグやブックカバーなどの小物を作るのにも向いている。

ただし耐水性は2,000mm程度とそこまで高くないので、雨の日はあまり過信しすぎないように注意しよう。