ハンバート友幸の庭

節約、ミニマリスト、商品レビューなどをするブログ

意外と必要ない。老後資金の必要額を計算してみた。

お金

こんにちは友幸です。

以前にセミリタイア自体はやろうと思えばすぐに可能という記事を書いた。

貯金のない状態のセミリタイアは、傍から見ると中年フリーターと変わらないが、とにかく可能である。

老後は節約できる人ならば、貯金なしでも年金だけで十分に生活できる。

しかし人間はいつまでも健康でいられない。

老後になると身体のあちこちにガタがきて、病院のお世話になる頻度も増えるはず。

その場合、老後に貯金はどれくらい必要なのか?

 

今回は65歳に入院して寝たきりになった場合、費用がどれくらいにかかるのか計算してみた。

 

それではいってみよう。

 老後に必要な貯金の算定のための条件

今回は以下のケースで紹介する。

  • 65歳から死ぬまでずっと病院に入院。
  • 寿命は平均寿命80.5歳とする(ずっと入院してそこまで生きるとは思えないが)。
  • 住んでいた賃貸は契約を継続(月2万円)。入院している間は光熱費は解約。
  • 所得は年金のみ

それではまず65歳から死ぬまでに必要な金額を算定しよう。

老後、65歳から平均寿命までに必要な貯金額

入院費

入院費は高額医療費控除を利用する。

収入が年金だけの生活の場合、住民税が非課税になるので、自己負担限度額が安くなる。

70歳未満は自己負担額が1ヶ月3万5400円。

さらに4ヶ月以降は自己負担限度額は更に安くなり2万4600円になる。

 

つまり65歳の初年度は入院費は32万7600円。

翌年以降は年間29万5200円かかる。

 

65~69歳までの医療費は合計150万8400円。

65歳以上は120万円までの年金は控除されるので、所得金額が0円になる。

70歳以上は所得金額が0円の場合、所得区分が「低所得者1」となるので、月1万5000円の医療費で済む。

この場合、年間の医療費は18万円になる。
平均寿命80.5歳まで生きるとすると、70~80.5歳までの医療費は18万円×11.5年=合計207万円。

 

必要な医療費は合計357万8400円になる。

入院中の食費

病院の食事は入院期間が90日を超えると1食160円。

年間の病院での食費は17万5200円になる(90日をこえるまえは1食210円だが今回は省略した。加味した場合、初年度に1万3350円プラスされる)。

平均寿命までの食費は17万5200円×16.5=289万0800円。

生活費

家賃は入院が長引くと解約する可能性があるが、入院していても2万円のアパートを解約しないと仮定して家賃が年間24万円。

更新料のかからない、市営の団地などに住んでいると仮定する。

平均寿命までは24万円×16.5年=396万円。

 

通信費は月2000円。年間で2万4000円。

平均寿命までは2万4000円×16.5年=39万6000円。

平均寿命までの必要資金

全て合わせると、平均寿命80.5歳までにでる必要な出費は1082万5200円の出費になる。

これはもし、賃貸ではなく戸建てを所有していたり、家を解約すると更に安くなる。

老後の年金の支給額

国民年金を65歳まで満額支払った場合

国民年金を65歳まで満額支払った場合、年間78万100円貰える。
平均寿命までの受給金額は1287万1650円。

 

必要な出費よりも年金額が上回るので貯金がなくても年金だけでなんとかなる。

ただ入院し始めた最初の3ヶ月は、月7万円程度お金が必要。

年金は1ヶ月あたり6万5000円になるので、年金だけだと足りなくなってしまう。

医療費控除は手続き後に払い戻される制度なので100万くらい貯金があったほうがい

いかもしれない。

事前に医療費控除の手続きを取っていれば、請求時に高額医療控除された金額が請求されることになる。

 

この場合、最初の3ヶ月をしのぐための貯金1万5000円あればなんとかなる。

国民年金を全額免除した場合
全額免除の場合、国が支払っている額である半額が年金支給される。

この場合、年間39万50円支給される。
平均寿命までの年金総支給額は半分の643万5825円。

 

必要な金額1042万9200円から差し引くと、平均寿命までの必要な貯金は438万9375円になる。

だいたい440万円貯金が必要になる。

しかし年金を全額免除すれば、毎年19万2000円出費を抑えることができる。
年金を全額免除した分を貯金にまわせば、30年で576万円貯めることができる。

これだけで400万円の貯金額はまかなえる計算になる。

国民年金は今後、支払う金額はどんどん上がっていくことになるだろうから、更に免除するメリットがでてくる。

そのうえ、長期的に株式やインデックス投資を使って運用して年2%を目指せば、更に貯金額は増える。

年金を支払うくらいなら、そちらのほうがおすすめ。

まとめ

今回の試算は、入院してもなんとかなるための必要な金額を算定した。

  • 老後の貯金は国民年金を満額支払った場合は老後資金は1万5000円必要。
  • 全額免除をして国民年金を支払わない場合は老後資金440万円必要。

以上の結果になった。

 

前回に引き続き、やろうと思えばセミリタイアはいつでもできるという結果になった。

 入院しなければ年金だけで生活できるので、年金を満額支払っていれば貯金は必要ない。

 

今回のケースには、入院中に購入するマスクやパジャマなどの日用品を買ったりする資金が含まれていない。

 

他にも、インフレ率のことも考慮していないし、病院の食費の値上がりや、年金支給額の減額、支給開始年齢引き上げの可能性も十分にある。

 

もしこのケースが心配であれば、月1万円の余剰金を作るとする。

その場合、65歳から80.5歳までに198万円必要になる。

このケースだと以下の通り。

  • 年金を65歳まで満額払っていた場合、200万円程度の貯金。
  • 全額免除の場合は、640万程度の資金が必要。

 

実はこの余剰金は結構厄介。

安心資金を増やしていくと、どんどんセミリアタイアは遠のいていく。

 

ネガティブに考えていると、いつまでもセミリタイアはできない。

ポジティブな人のほうがあっさりセミリタイアできる。

働き続けて、フローの収入を得ること最大のお金に対するリスクヘッジになる。

心配症の人は定年まで働き続けたほうが幸せである。

 

極端な例だが、皆さんがセミリタイア資金を考える上で参考になれば幸い。

 

関連記事