こんにちは友幸(@humberttomoyuki)です。
株取引は、インターネット証券の普及によって、対面取引に比べると手数料が圧倒的に安くなり、個人投資家が株取引をしやすい状況が生まれた。
その後ITと金融を組み合わせた「フィンテック(フィナンシャル+テクノロジー)」によってさらに手数料が安くなっている。
新しく登場した株アプリ「STREAM(ストリーム)」は取引手数料無料で利用できる業界初のサービスだ。
投資をする時に気をつけるべき、最も重要な要素の一つが「手数料」だ。
手数料が安ければ、売買した時により多くの利益を上げることができる。
今回は株アプリ「STREAM」が手数料無料で利用できる理由やメリットとデメリットを紹介するよ。
株アプリ「STREAM(ストリーム)」とは?
「STREAM(ストリーム)」は、株式会社スマートプラスが開始した株式売買ができるスマホアプリだ。
株式会社スマートプラスは2017年3月に設立されたばかりの新しい会社だが、「大和証券」と連携して「フィナテキスト」の子会社として作られた会社になる。
大和証券以外にもKDDIを含む数社から60億円を調達していて、ベンチャーだが大手企業が関わっている会社なので安心できる。
フィナテキストは「フィンテック」に特化した会社だ。
日本最大級の株コミュニティアプリ「あす株!」など、金融に関連したモバイルアプリを多数リリースしている実績がある。
また楽天証券のロボアドバイザーの開発も行うなど、大手企業や銀行のサービスを提供してる会社だ。
取り扱い市場、銘柄
STREAMでは「東京証券取引所」に上場している株を買うことができる。
- 東証1部
- 東証2部
- マザーズ
- JASDAQ
取り扱いできる銘柄は以下の通りだ。
- 国内株式
- ETF (上場投資信託)
- REIT (上場不動産投信)
- ETN (上場投資証券)
- ベンチャーファンド
- インフラファンド
東証の銘柄であれば、個別株以外にもETFやREITなどを購入することができる。
現在のところ、海外株の取り扱いしていないようだ。
株アプリ「STREAM」のメリット
- 手数料無料で利用できる
- 東証より有利なレートで株が買える
- SNS機能が充実している
- コミュニティのクラスに応じて信用取引の金利が安くなる
- 操作が簡単でわかりやすい
取引手数料無料で利用できる
STREAMの最大のメリットは取引手数料が「無料」で利用できることだ。
大手ネット証券を含めて手数料無料なのは「STREAM」だけだ。
どうして「STREAM」は取引手数料無料にできるのだろうか。
それは運営会社のスマートプラスが従来の証券会社とは違い、証券サービスの「プラットフォーム」を提供している会社だからだ。
スマートプラスは、企業に証券サービスの土台となる「BaaS(バース)」を提供することで企業から収益を得るビジネスモデルとなっている。
そのため個人投資家は取引手数料無料で利用することができる。
企業はスマートプラスのBaasを利用することで、低コストで証券サービスに参入することができ、自社のフロントエンドのアプリ開発に集中することができるというメリットがある。
今後、スマートプラスの「BaaS」利用したアプリが続々とリリースされていくはずだ。
あとユーザーからすればあまり関係ないことだが、一般的にはBaasは「Backend as a Service」の略だが、スマートプラスでは「Brokerage as a Service」と呼んでいる。
簡単に言うと企業からお金をもらうから、個人の手数料は無料にできるということだ。
ただし次に紹介する有利なレートで約定した場合は、少し手数料がかかるよ。
東証より有利なレートで株が買える
STREAMでは「SMART取引」と呼ばれる取引を行っていて、東証で普通に株を購入するより安く購入することが可能だ。
これは「SOR(スマート・オーダー・ルーティング)」を使って、機関投資家が利用している東証立会外取引(ダークプール)で取引を行っているためだ。
東証立会外取引で東証よりも有利なレートで約定した場合は、有利になったレートの半分を手数料として支払う必要がある。
先にSTREAMは取引手数料無料だと話したが、この場合は例外となり手数料がかかる。
ただし手数料を支払ったとしても元々東証で買うよりも安いレートで約定しているので、利用者には損はないという仕組みになっている。
SORについて
「SOR」は自動注文回送サービスのことで、注文した時に複数の市場の価格を比べて、より有利なレートで購入できいるサービスのことだ。
SORを利用することで、東証と東証立会外のレートを比べてより有利なレートで約定することができる。
東証立会外(ダークプール)について
株は東証などの証券取引上だけで取引されているわけではなく、それ以外の「東証立会外取引」やPTS(私設取引システム)でも取引することができる。
例えばSBI証券会社では、東証が閉まっている時間帯にPTSで取引をすることができる。
東証立会外は主に大口の機関投資家に利用しているサービスだ。
「匿名性が高い」「注文価格、注文数量がわからない」などの特徴があるので、「ダークプール」とも呼ばれている。
大口の機関投資家は一度の注文量が多いため、東証で注文すると市場の流動性に与える影響が大きいのでダークプールを利用している。
例えば、東証の気配値で自分の持っている株に機関投資家の大量の売り注文が出ていたら、パニックから投げ売りしてしまう可能性がある。
そういった影響を与えなために機関投資家は、匿名性の高いダークプールで取引をしている。
個人の注文を機関投資家の注文に付け合せすることでダークプールが利用できるようになっている。
SODとダークプールを組み合わせることで、複数の取引所を比較し、より安いレートで株を買うことができる。
STREAM以外にも個人がダークプールを利用できるサービスがいくつかある。
松井証券の「ベストマッチ」や、SBI証券の「SBBO-X」だ。
ただし松井証券は取引手数料がかかるし、SBI証券の「SBBO-X」は、預かり入れ残高が1000万円以上であることが条件なので、初心者にはかなりハードルが高いだろう。
SNS機能が充実している
株アプリ「STREAM」のもう一つの大きな特徴はアプリ内に「ストリーム」というSNSがある点だ。
親会社のフィナテキストがコミュニティ型の株アプリを数多くリリースしているが、同じように「STREAM」は株取引だけでなく、SNSの機能が備わっている。
ツイッターやフェイスブックのように、気になるフォロワーをフォローしてコメントをみたり、自身がコメントをして他の人と交流できるようになっている。
SNSを使うメリットはいくつもある。
- 現在注目されている銘柄がわかる
- 自分の知らない銘柄を知ることができる
- 複数の情報を確認できる
投資初心者の人でも、SNSで投資に詳しい人をフォローすることで、どういう銘柄を買ったほうがいいのか知ったり、自分の知らないお買い得な銘柄を知ることができる。
また「注目」という項目から、SNS内で評価の高いコメントや現在注目されている銘柄の情報を知ることができるようになっている。
ロイター通信、モーニングスターなどの複数のニュースソースを知ることができるので、色々な角度から効率的に投資の情報を集めることができる。
検索をかければ、自分の気になる銘柄の情報をすばやく知ることも可能だ。
コミュニティのクラスに応じて信用取引の金利が安くなる
「STREAM」にはSNSを使ってコミュニティポイントを貯めることができ、貯めたポイントに応じてクラスが上がる仕組みがついている。
そしてクラスが上がると、信用取引の金利が低くなるというメリットがある。
コミュニティポイントは、「ログイン」や「フォロー」「コメント」などで貯めることができる。
また「STREAM」にはフェイスブックの「いいね!」のように「役立つ!」というボタンをついている。
この「役立つ!」も多く集めれば、SNSに貢献しているとみなされコミュニティポイントを貯めることができる。
フェイスブックの「いいね!」は多く集めるとバズるなどの間接的なメリットは有るが、直接的なメリットはあまりない。
それに比べてSTREAMのコミュニティポインは実利的なメリットがあるのが面白い点だ。
操作が簡単でわかりやすい
STREAMのUI(ユーザーインターフェース)はスマホで操作しやすいように作られていて、直感的に操作がしやすくなっている。
大手証券会社の株アプリのUIは、お世辞にも使いやすくはない。
色々な機能を詰め込んでいるせいで、画面が見づらく、直感的な操作は難しくなっている。
特に初めて投資をする人にとって、起動して何をすればいいのかわかりにくいため、「難しい」と感じてしまいがちだ。
その点STREAMは画面が「今風」でわかりやすい。
アプリを起動した時に一番最初にSNSのページが表示されるようになっているのも、SNSの感覚で楽しみながら、投資の勉強ができるように作られているからだ。
株取引の従来のイメージは、「わかりにくくて初心者には難しい」というものだ。
STREAMでは、難しくてとっつきにくいイメージのある「株取引」のイメージを変えて、もっと投資を身近に感じてもらい、多くの人に資産運用に興味をもってもらうことを目的としている。
親会社のフィナテキストが、元々コミュニティ型の株アプリを多数リリースしているのも同じ理由だ。
投資のハードルを下げて誰でも参加できるようにして、それぞれの人にマッチした情報を提供することで、多くの人に投資に興味を持ってもらう。
そのためにできるだけ操作は簡単にできるようになっている。
株アプリSTREAMのデメリット
- スマホでしか利用できない
- 単元未満の株は取扱できない
- 東証以外の株は利用できない
スマホでしか利用できない
「STREAM」はアプリでしか利用することができないので、WebブラウザやPCからは操作できない。
利用するにはスマホやタブレットを持っていることが前提となる。
ガラケーの人は利用することができないので注意しよう。
単元未満の個別株は購入できない
STREAMは個別株の最低1単元からの購入となり、単元未満の株は購入することができない。
1単元の株数は企業によってかわる。
例えば1株1,000円で1単元が100株の会社の場合は「1,000円×100株=10万円」となり、取引するには最低でも10万円の資金が必要になる。
資金がないと、株価が高い銘柄は購入するのが難しくなる。
あまり資金がない人は個別株ではなく、ETFを購入するといい。
ETFは「上場した投資信託」のことだ。
1口から購入できるので数千円から数万円程度で購入できる。
ETFは分散投資ができ、投資信託に比べて毎年かかる信託報酬も安い。
STREAMなら「取引手数料」が無料なので、手数料を気にせず1口からコツコツ買っていくことができる。
東証以外の株は購入できない
STREAMで取引できる株は、現在「東京証券取引所に上場している銘柄」のみとなる。
札幌、名古屋、福岡の証券取引所に上場している株は購入できない。
有名な銘柄だと「ライザップ」は、札幌証券取引所で上場しているので、「STREAM」では取引できない。
東証以外の銘柄は基本的に取引量が少ないマイナーな銘柄が多いので、初心者はあまり気にする必要はないだろう。
また同じように海外の株式も購入することができない。
海外の株を組み込んだ国内のETFであれば購入することができるが、海外のETFを日本で購入できる「ETF-JDR」は購入することができないようになっている。
STREAMの気になる点
SNSで煽りなどの不正行為が発生しないか?
STREAMにはSNS機能がある。
SNSにおいて気になるのが、特定の銘柄を購入するように促す「煽り」や「不正行為」が発生しないのかという点だ。
STREAMはSNSなどのコミュニティ機能もあるが、本来の機能は証券口座だ。
証券口座なので、ツイッターなどのSNSのように、1人の人間が複数のアカウントを作成することができない。
また口座開設の際にしっかりと本人確認書類による審査が行われているため、信頼性が高い。
また以下のような対策が立てられている。
- ユーザーからの通報機能
- 規約に反する発言の削除
- 運営サイドによる発言のチェック
悪質な発言を繰り返す人は口座が凍結される可能性もある。
STREAMで表示されるツイッターは、STREAM側によって信頼が高いと判断され有益な情報を提供してるユーザーに限定されている。
手数料は一時的なものか?
「STREAM」の「取引手数料無料」は、期間限定のサービスやキャンペーンではない。
そのため、いつ取引しても手数料無料で利用することができる。
他の証券会社でも、キャンペーンで手数料が無料になることはあるが、常に手数料無料で利用できるのは現状「STREAM」だけだ。
株アプリ「STREAM」のまとめ
- 取引手数料無料で利用できる
- SORとダークプールで有利なレートで約定できる
- コミュニティ機能で初心者でも始めやすい
株アプリ「STREAM」は業界初の取引手数料無料を実現した驚異の株式アプリだ。
ダークプールを活用しているため従来よりも有利なレートで約定する可能性が高い。
大和証券が連携しているため信頼性も高い。
STREAMは手数料無料なので「国内の株やETF」を現在買っている人や、これから投資を始めようと思っているにおすすめだ。
投資初心者は分散投資できるETFをコツコツと積み立てていくといいだろう。
取引手数料がかからないので、他の証券会社よりもお得に株を購入できるよ。