こんにちは友幸(@humberttomoyuki)です。
レザークラフトは専用の道具が多く必要になるが、今回は最低限の道具で作ることが出来るレザークラフトキーケースの作り方を紹介するよ。
レザークラフトに興味がある人は簡単なので作ってみてね。
レザークラフトで作るキーケースの完成図
今回作るのは、サークル型のキーケースだ。
完成すると以下のようになる。
円形にカットした革に穴をあけてワイヤーリングを通して、閉じるためのギボシを取り付けただけの非常にシンプルな作りのキーケースだ。
友人がエンダースキーマのサークルキーケースを持っていて、縫う必要もなく簡単に作れそうだったので似たようなキーケースを作ってみることにした。
レザークラフトで革を縫う時は、厚い革に糸を通すために「菱目打ち」と呼ばれる道具で穴を開けてから縫う必要がある。
今回のキーケースは縫わないで作ることができるので、菱目打ちなどのレザークラフト専用の道具が必要なくてすむ。
身近な材料を中心に作ることができるので、比較的材料が揃えやすく簡単だ。
レザークラフトを初めてやる人にもおすすめだよ。
レザークラフトでキーケースに必要な材料
レザークラフトで、キーケースを作るのに必要な材料は以下の通りだ。
レザークラフトキーケースに必要な材料
- 革 直径11cm以上
- ワイヤーリング 1個
- ナスカン 鍵の数だけ
- ギボシ 1組
キーケースの材料以外に必要なもの
- 画用紙
- ボールペン
- コンパス
- カッター
- カッターマット
- ハンマー
- 穴あけポンチ
- 木やゴム板
- ネジ(打ち込み型ギボシの場合)
- ヤスリ 300番くらい
- ウエス
革
キーケースの出来上がりサイズが直径11cmの円形なので、直径11cm以上の革を用意しよう。
薄すぎてもペラペラで安っぽくなるので、厚みは1.5~2mmくらいあるほうがいい。
わたしは今回東急ハンズでカットされた1.8mmの革を購入して使った。」
本当は15cm×15cmにカットされた革があればよかったがなかったので、 15cm×30cmを購入している。
少し厚みがあると感じたので1.5mmくらいの厚みがベストかも。
革は革屋さんでまるごと買ったほうが安いが、最初に大きすぎる革を買うと使わずにお蔵入りになることもあるので、最初は小さめのサイズを買って作ってみるといいだろう。
ハギレを買って作るのもありだ。
ワイヤーリング
ワイヤーリングは名前の通りワイヤーをリング状にしてつないだものだ。
これだけでキーケースのかわりとして使うことも出来る。
ワイヤーリングは東急ハンズやホームセンターで購入することができる。
今回使用したのはホームセンターで売られている線径1.5mm、直径45mmのワイヤーリングだ。
ニッサチェインの商品でAmazonでも売られている。
ナスカン
ワイヤーリングに通し鍵を取り付けるためのパーツ。
ナスカンがなくてもワイヤーリングに鍵を取り付けることができるが、毎回ワイヤーリングから鍵を取り外すのが面倒なので、ナスカンを取り付ける。
ナスカンの数はキーケースに取り付ける鍵の数に応じて用意する。
あまり多すぎると、キーケースが閉じなくなってしまうので3個か4個くらいがいいんじゃないだろうか。
またナスカンの穴が小さいとワイヤーリングに通らないので注意しよう。
わたしは最初に買ったナスカンの穴が小さすぎて通らなかったので、別のナスカンを購入する羽目になった。
ギボシ
ギボシは革を留めるために使うレザークラフトのパーツだ。
ギボシには「ネジ式」と「打ち込み式」がある。
打ち込み式は、カシメなどと同じようにハンマーで叩いて取り付ける。
ネジ式はネジのよう回転させれば道具なしに簡単に取り付けることが出来る。
今回わたしはギボシの頭が直径5mm程度の打ち込み式ギボシを使用した。
ただ打ち込み式ギボシはレザークラフト専門店にしか置いていないので、入手が比較的難しい。
打ち込み式の場合、ハンマーで叩く際に使うカシメの打ち込み金具やネジも必要になってくる。
東急ハンズなどでは取り付けが簡単なネジ式ギボシしか売っていないので、一度に道具を揃えようと思ったら、ネジ式を使ったほうがいいだろう。
好みの応じてギボシではなくドットボタンに変更することもできる。
穴あけポンチ
穴あけポンチはハンマーで叩いて穴を開けるための道具だ。
キーケースの材料以外で、多くの人が持っていないのが穴あけポンチだろう。
ホームセンターや東急ハンズにも売られているが、100均のダイソーで両端でサイズが違う穴あけポンチも売られている。
数が少なく置いていない店舗も多いが、安く済ませたいならダイソーを一度のぞいてみるといい。
今回はギボシを取り付ける2mmの穴と、ギボシの頭の大きさ(5mm)から1mm小さい4mmの穴を開ける必要がある。
ダイソーだけではサイズが揃わなかったので、ホームセンターでも穴あけポンチを購入した。
ただ後でも述べているが、スクリューポンチを使ったほうが仕上がりがきれいになるのでそっちを買ったほうが良かったかも。
レザークラフトキーケースの作り方
型紙を作る
まず最初に画用紙を使ってキーケースの型紙を作ろう。
型紙と言っても簡単で、コンパスで円を書いて、ワイヤーリングを通す穴とギボシを取り付ける位置に印をつけるだけだ。
まずコンパスで直径11cmの円を書いて、中心から縦横に十字になるようにガイドラインを引く。
その後は、以下の位置に穴を開ける部分がわかるように印を点けていこう。
- ワイヤーリングの穴:上端から1.5cm下、左右に1.5cmの位置
- ギボシの穴:左右両端から1cmの位置
穴を開ける位置に印をつけることができたら、円に沿ってカッターでカットしよう。
これで型紙は完成だ。
穴を開ける部分も十字でカットしておけば、裁断の時にボールペンで印がつけやすくなるよ。
革を裁断する
型紙ができたら、革を裁断しよう。
革の上に型紙を置いて、ボールペンで型紙の周りをなぞって印をつけよう。
穴を開ける部分にもボールペンで印をつけておく。
ボールペンの代わりに目打ちで革に印をつけてもいいが、革の種類によっては、穴が閉じて、わかりにくくなる可能性がある。
革に型紙を写したら、カッターで裁断する。
カッターナイフは切れ味が悪いと切りにくいので、刃は新しいものを使ったほうがいい。
特にオイルレザーなどの油分が多い革だと、ナイフが弾かれて切りにくくなる。
ただ円形にカットするだけだが、構造がシンプルな分カットの仕上がりが出来上がりに大きく影響する。
できるだけキレイに裁断できるように、切れ味のいいカッターを用意しておこう。
円形に切っただけだが、半分に折るとほぼ完成図が見える。
このあと本当は革の裏面の毛羽立ちを抑えるための処理をしたほうがいいのだが、忘れていたので、最後に行っている。
穴を開ける
革の裁断が終わったら、穴あけポンチとハンマーを使って、ワイヤーリングとギボシを通す穴を開けよう。
穴を開ける時は傷がつかないように革の下に硬めのゴム板を敷くが、今回は100均の印鑑用のゴム板を試しに使ってみた。
しかし柔らかすぎてすぐにだめになってしまったので、100均で売っている四角い木材などをかわりに使ったほうがいいだろう。
今回開けた穴の大きさは以下の通りだ。
穴の大きさ
- ワイヤーリングの穴:4mm
- ギボシ取り付け穴(右):2mm
- ギボシ穴(左):4mm
上部にあるワイヤーリングの穴は、ワイヤーリングが通る大きさなら何mmでもいい。
今回はギボシの穴と同じ4mmにした。
ギボシを取り付ける右の穴は2mm~3mm程度と小さめにする。
ギボシを通すための穴(表からみて左側の穴)は、ギボシのサイズで少し変わってくる。
基本的にギボシの頭より1mm小さいサイズの穴を開けるようにするといい。
穴が大きすぎると、ギボシを穴に通してもすぐに外れてしまって意味がなくなってしまうからだ。
穴を開けたら、ギボシを通りやすくするように内側に5mmカッターで切り込みをいれよう。
あと、穴を空ける時は表面から開けるようにしよう。
最初裏面から穴を開けてみたが銀面が裂けてしまってやり直しになってしまった。
穴を開ける時は必ず表(銀面)から穴を開けよう。
ギボシを取り付ける
次に2mmの穴にギボシを取り付ける。
打ち込み式の場合、ハンマーで叩いて固定する必要がある。
直接ハンマーで叩くと、垂直に力が加わらないため本来はカシメ用の打ち込み金具などを利用する。
打ち込み金具を持っていないので、実家にあった長いネジで代用した。
ネジの頭を下にして上からハンマーで叩いてギボシを固定させる。
ネジ式ならドライバーでまわすだけでいいのでネジや打ち込み金具は不要だ。
ネジ式は使っているとネジが緩くなってくることがあるので、しっかりと固定するなら瞬間接着剤をネジ部分につけて固定してしまおう。
ワイヤーリングを穴に通してナスカンを取り付ける
次は上部の穴にワイヤーリングを取り付けよう。
ワイヤーリングの接続部分の金具を回して直線にして穴に通すだけだ。
ワイヤーリングを通したら、内側でナスカンを取りつければいい。
しかしここで問題が。
ナスカンの穴が小さくてワイヤーが通らない。
ワイヤーリングの接続部分が太くなっているので、引っかかってしまって入らないようだ。
結局、別のナスカンを用意しなければいけなくなった。
こんな失敗をしないように穴が大きめなナスカンを用意しておこう。
東急ハンズでは、ナスカン付きのワイヤーリングを売っていたので、そっちを買っていいかも。
ワイヤーリングを通すとほぼ完成だ。
コバを磨く
もう見た目はほぼ完成だが、仕上げを綺麗にするためにコバ(側面)と裏面をきれいにしよう。
今回のキーケースは一枚革で厚みもあまりないので、面倒なら飛ばしてもいい。
コバを何も処理していない状態だと、断面が毛羽立ってしまっている。
この部分を300~600番手くらいのヤスリで削ってコバをならしていこう。
今回は300番手の紙ヤスリを使っている。
耐水ペーパーは、色の薄い革だと研磨剤の色が移って黒くなってしまうので使わないほうがいい。
ヤスリをかけたらコバに少し水をつけて布で擦っていくと、毛羽が潰れてなめらかになっていく。
後は600番手くらいのより目の細かいヤスリで同じ作業を繰り返してなめらかにしていく。
今回は600番手のヤスリがなかったので、300番手のヤスリだけで削った。
最後に光沢を出すために、木べらやスリッカーと呼ばれる道具でコバをこすっていくと光沢がでてくる。
今回は手元に道具がなかったので、ハンマーの柄で代用して磨いた。
裏面(床面)を綺麗にする
最後に必要なら裏面を綺麗にしよう。
本当なら裏面の処理は革を裁断する前か裁断後にやったほうがいい。
余分なパーツがついていないのでやりやすいからだ。
裏面の処理は毛羽立ちを抑えるために行う。
今回使った革は裏面が処理されているのか最初からあまり毛羽立ってないので、別に処理しなくてもいい。
裏がスウェードのように毛羽立っている革は使っていると毛羽が落ちて服や手についたりする。
そういう革は床面処理をしたほうがいい。
普通はトコノールなどの専用の液体を使ってガラス板でこすって平らにする。
ガラス板のかわりにワインやビールなどのガラス瓶でも代用できるようだ。
今回はどちらも持っていないのでトコノールなどを使わずに、無色の靴クリームで代用して、ハンマーの柄でこすった。
そこまで大きな変化がわからないので、やらなくても良かった気がする。
縫わずに作るレザーキーケース完成
最後に靴クリームなど革用のクリームを全体に塗ってあげれば完成だ。
レザークラフトの仕上がりをキレイにする道具
今回は最低限の道具でキーケースを作ったが、他にもあったほうがいレザークラフトの仕上がりがきれいになる道具を紹介するよ。
レザーパンチ&スクリューポンチ
今回はホームセンターで購入した4mmの穴あけポンチを使ったが、穴の仕上がりが汚かった。
穴を開けた付近の銀面が裂けてしまうこともあり、お世辞にもあまり綺麗とはいえない。
穴が綺麗でない原因は色々あるが、
- 穴あけポンチの切れ味が悪い
- 木の上で穴を開けたので土台が柔らかすぎた
といった要因が考えられる。
個人的には、レザークラフトで穴を綺麗に開けるならスクリューポンチやレザーパンチを使うのがおすすめだ。
これらの道具は押さえるで穴を開けることができるので、ハンマーで叩く必要がない。
穴を開ける時に音もしないし、仕上がりもきれいになるので便利だ。
わたしは昔に靴を作る教室に通っていたことがあるが、スクリューポンチを使っていた。
もちろん音を出さない目的もあっただろうが。
東急ハンズで穴あけポンチのを2個買うなら値段も同じくらいなので、スクリューポンチやレザーパンチを買ったほうがいいかも。
個人的にはスクリューポンチがおすすめだが、Amazonではレザーパンチのほうが評価が高いようだ。
コバを処理する道具
コバの処理がきれいだと、見た目がきれいになってクオリティが一気に上る。
余裕があればコバ処理の道具を揃えておこう。
- トコノール
- スリッカー
- ヘリ落とし
トコノールはコバの仕上げに使う液体だ。
床面を磨くときにも使えるので、レザークラフトをするならほぼ必須の道具になる。
色付きもあるが、何にでも使える無色が使いやすい。
ヘリ落としはコバの角(ヘリ)を落とすために使う。
ヘリを落とすことで四角い断面が丸くなるので、手触りが良くなる。
あとはヘリを落とさずにコバを磨いていると、ヘリの革がつぶれてシワができることがあるが、カットすることでそれを防ぐことが出来る。
スリッカーは窪みのついた木ベラだ。
最後にコバを磨いて光沢を出す時に使う。
ヘリ落としとスリッカーはAmazonでセットで売られていたので、そっちを買ってもいい。
レザークラフトで作る簡単キーケース まとめ
レザークラフト初心者でも簡単に作れるキーケースの作り方を紹介したよ。
縫う必要もなく最低限の道具でできるので簡単だ。
レザークラフトを1回やるためだけに、専用の材料を全部揃えるのはお金がかかるので1回作ってみて楽しかったら必要なものを買い足していけばいいだろう。
レザークラフトができるようになると、小物は割と何でも作れるようになる。
コードバンやブライドルレザーなど、自分の好みの革で作れるし、自分好みにカスタマイズできるのも良い点だ。
レザー製品が好きな人はチャンレンジしてみるといいよ。