こんにちは友幸(@humberttomoyuki)です。
この記事ではゴアテックスの新ブランド「ゴアテックスインフィニアム」について紹介するよ。
従来のゴアテックスとは大きく違うラインなので、気になる人は見てみてね。
- ゴアテックスインフィニアムとは?
- ゴアテックスインフィニアムとゴアテックスとの違い
- ゴアテックスはオーバースペックすぎる?
- ゴアテックスインフィニアムの防水性について
- ゴアテックスインフィニアムを使った製品
- ゴアテックスインフィニアムまとめ
ゴアテックスインフィニアムとは?
「ゴアテックスインフィニアム(GORE-TEX INFINIUM)」は2018年秋冬から、新しく登場したゴアテックスの新ブランドだ。
「ゴアテックス(GORE-TEX)」はアメリカの「W.L.ゴア&アソシエイツ(W.L.GORE & ASSOCIATES)」が提供する防水透湿性素材のこと。
高い透湿性と防水性から多くのアウトドアメーカーのハードシェルに使用されている素材だ。
「レインウェアといえばゴアテックス」というくらい有名な素材なのでアウトドア製品に興味のない人でも一度は耳にしたことのある素材だろう。
ゴアテックス製品には黒いブランドタグがつけれられていたが、ゴアテックスインフィニアム製品には、白いブランドタグがつけれている。
ゴアテックスインフィニアムとゴアテックスとの違い
ゴアテックスインフィニアムとゴアテックスとの大きな違いは、完全防水かどうかだ。
- ゴアテックス:防水
- ゴアテックスインフィニアム:非防水
従来の「ゴアテックス」は「GUARANTEED TO KEEP YOU DRY」をかかげ、防水性を保証しているが「ゴアテックスインフィニアム」は完全防水はうたっていない。
防水性がなくなることは一見メリットがないように思えるが、完全防水するためには、すべての縫い代をシーム処理する必要があり生地がゴワつきやすい。
またゴアテックスメンブレンと呼ばれるシート状の素材を、表地と裏地などで覆う必要があるため衣類の重量が増加するといったデメリットがある。
ゴアテックスインフィニアムでは、ゴアテックスの大きな特徴である防水性を下げるかわりに高い透湿生と防風性を活かして、よりドライな環境でも快適に利用できる製品を展開している。
ゴアテックスはオーバースペックすぎる?
「ゴアテックスインフィニアム」が誕生した背景には、「ゴアテックス」はオーバースペックすぎるというのがあるだろう。
ゴアテックスは品質や評価が高い素材だが、真価を発揮するのは、雪山登山などの過酷な環境化だ。
街で着るのに、雪山でも通用するような防水性が必要かといわれると全く必要ないはずだ。
多くの場合、小雨を防ぐ程度の撥水性やそこそこの防水性さえあれば問題ないだろう。
ファッションブランドがアウトドアをテーマにゴアテックスを使った製品を出すことがあるが、街ではオーバースペックすぎて機能的にはあまり意味がないことが多い。
また各アウトドアメーカーが、ゴアテックスよりも防水透湿性は低いけど、軽量で扱いやすい素材を独自開発していることもあり、ゴアテックス以外の防水透湿素材の選択肢が増えてきたというのも関係あるだろう。
アウトドアショップの店員が他の客と「もうゴアテックスは必要ないです」と話しているのを聞いたことがある。
従来のゴアテックスは、完全防水を保証しているが、それが足かせになり製品の幅が狭くなってしまうという欠点があった。
その欠点を補うためにより防水性を捨てて、幅広い場面で利用できる「ゴアテックスインフィニアム」が誕生しただろう。
ゴアテックスインフィニアムの防水性について
ゴアテックスインフィニアムの製品は、防水性はうたっていないが高い耐水性があるため、比較的雨にも強い。
シーム処理などを施せば、軽量なレインウェアとしても利用可能だ。
例えば、モンベルの最軽量レインウェア「バーサライトジャケット(134g)」には、「ゴアテックス」ではなく「ゴアテックスインフィニアムウインドストッパー」が使用されている。
モンベル公式サイトより
シーム処理を施し生地の表面に耐久撥水加工を施すことで、レインウェアとして十分使用することができる。
バーサライトジャケットは、以前はモンベルオリジナルの防水透湿素材を使用していたが、2018年に「ゴアテックスインフィニアムウインドストッパー」に変更したことで、「透湿性」「耐水圧」ともに大きく上昇している。
もちろん従来のゴアテックスを使用したレインウェアに比べると、透湿性、耐水圧ともに低くなるが、よほど過酷な環境でなければ十分だろう。
ゴアテックスインフィニアムを使った製品
モンベル「バーサライトジャケット&パンツ」
モンベル公式サイトより
「ゴアテックス インフィニアムウインドストッパー」を使用したモンベルの最軽量レインウェア。
シーム処理をしていて、表面に撥水加工を施しているため透湿性、耐水圧ともに高く、値段も手頃だ。
軽量なレインウェアを探している人におすすめ。
わたしもパンツを持っているよ。
関連記事:モンベル「バーサライトジャケット&パンツ」レビュー【軽量レインウェア】
モンベル「イグニスダウンパーカ」
モンベルより2019年秋冬に新発売されたダウンパーカ。
「ゴアテックス インフィニアムウインドストッパー」を使用していて、耐水性、台風性が高く、ダウンの水濡れに弱いという欠点を補っている。
多少の水濡れは気にしなくてもいいので雨が降ることの多い日本では重宝するだろう。
米国を代表するアウトドア専門誌『BACKPACKER』の「2019年エディターズ・チョイス賞」を受賞するなど海外での評価も高い。
関連記事:モンベル「イグニスダウンパーカ」がすごい!【1,000フィルパワーダウン+ゴアテックス】
ザ・ノース・フェイス「ウィンドストッパーゼファーシェルカーディガン」
ザ・ノース・フェイスもモンベルと同じくいち早くゴアテックスインフィニアムを使用した製品をリリースしている。
「ゴアテックス インフィニアムウインドストッパー」を使用したインサレーションウェア。
イグニスダウンパーカのようにダウンの水に弱いという欠点を補っている。
襟がないカーディガンの形状をしているので、アウター以外にインナーダウンとしても着ることができる。
ゴアテックスインフィニアムまとめ
- ドライな環境に特化したゴアテックスブランド
- 防水性は下がるが、高い透湿性と防風性がある
- 状況によっては、ゴアテックスよりも使いやすい
「ゴアテックスインフィニアム」は、従来のゴアテックスから防水性を下げて、その分幅広い製品に利用できるようにしたブランドだ。
高い透湿性や防風性はそのままだが、従来のゴアテックスのようなゴワつきや重さがなくなっているので、雨の降らない環境ではゴアテックスよりも快適に過ごすことができる。
ゴワつきがない分、ゴアテックスよりも扱いやすく、ファッションアイテムとしても使いやすい素材だ。
従来のゴアテックス製品のような防水性の保証はないが、シーム処理を施してレインウェアとして販売されている製品もあるので、決して耐水性も低いものではない。
絶対に防水性が必要な場面以外では、ゴアテックスよりもゴアテックスインフィニアムのほうが活躍するだろう。