こんにちは友幸(@humberttomoyuki)です。
先日、FP3級の試験を受けて無事合格した。
この記事では、FP3級の難易度や合格率、勉強方法などを体験を元に紹介ししているよ。
FP3級の試験を受けようと考えている人や興味のある人は参考にしてね。
FP3級とは?
FP3級(ファイナンシャル・プランニング技能検定3級)は、顧客に資産管理や金融知識などをアドバイスする「ファイナンシャルプランナー」の資格を取得できる試験だ。
合格すると「三級ファイナンシャル・プランニング技能士」という国家資格を取得することができる。
ただし、国家資格と言っても、税理士や弁護士、中小企業診断士のような、資格による独占業務があるわけではない。
ファイナンシャルプランナーは、顧客の相談を受けて悩みを解決したり、目標をかなえるための幅広い知識が必要となる。
そのため試験では、金融、税制、不動産、保険、住宅ローン、年金制度など幅広い範囲が出題される。
FP3級はFP試験の中で一番簡単な試験で、基本的な金融や資産の知識を一通り身につける入門的な位置づけだ。
FP3級に受かれば、実務経験がなくてもFP2級を受験できるようになるよ。
FP3級の試験について
FP3級の試験は「学科試験」と「実技試験」の2つに分かれている。
実技試験といっても学科試験と同じペーパーテストなので、特に面接などはない。
FP3級のテストは全てマークシート式で、自分で答えを書くような問題は出題されないので簡単だ。
学科試験は基本的な知識を問う「基礎問題」が出題され、実技試験は、相談人のシチュエーションに沿って問題に解答する「応用問題」になっている。
「状況説明:Aさんの資産は3000万あります。」
「問1:Aさんがなくなった時にBさんが受け取る相続金はいくらになるでしょう?」
かなり単純化しているが、上のような問題が実技試験で出題される。
試験日程はFP2級と同時に1月、5月、9月の年3回開催され、午前中に学科試験、午後に実技試験が行われる。
学科試験、実技試験どちらか片方だけ受験することも可能だ。
FP3級では学科試験、実技試験ともに6割以上正解すれば、合格することができる。
合格ライン
- 学科試験:60点中36点以上
- 実技試験(きんざい):50点中30点以上
- 実技試験(日本FP協会):100点満点中60点以上
FP3級の実技試験は3種類ある
FP試験は「きんざい(金融財政事情研究会)」と「日本FP協会」の2つの団体が主催をしている。
学科試験はどちらの団体も共通の問題が出題されるが、実技試験は選択した団体で違う問題が出題されることになる。
FP3級の「実技問題」は3種類あり、きんざいが2種類、FP協会が1種類となる。
- 個人資産相談業務(きんざい)
- 保険顧客資産相談業務(きんざい)
- 資産設計業務(FP協会)
「保険顧客資産相談業務」は、保険関係の仕事についていなければあまり必要ない。
個人で受けるなら「個人資産相談業務」か「資産設計業務」の2択だろう。
わたしはきんざいの個人資産相談業務を受けた。
理由は特になく、実技試験が複数あることを知らないまま、試験のためにきんざいに登録したからだ。
登録した後に実技が複数あることを知ったが、FP協会に登録するのは二度手間なので、そのままきんざいで受けることにした。
FP3級は選んだ実技試験によって結果が左右されるようなシビアなものではない。
難しい試験ではないので、きちんと勉強をすればどれを選んでも受かるだろう。
FP3級の合格率は60%程度
FP3級を受けようと考えている人が気になるのが試験の合格率だろう。
FP3級の合格率は約60%だ。
FP試験の過去の合格率は、きんざいと日本FP協会「試験結果」のページで確認することができるよ。
FP技能士の取得者数 及び 試験結果データ | 日本FP協会
FP3級の難易度は英検3級並み
「合格率60%って結構低くない?」と感じている方もいると思う。
わたしも「簡単な試験だから合格率80%くらいはあるだろう」と勝手に思っていたので、最初はそう感じた。
しかし実際は合格率60%というのはかなり簡単な試験の部類に入る。
例えば「英検3級」の試験の合格率は60%程度といわれているので、FP3級の合格率と同じだ。
つまりFP3級の難易度は英検3級並みということだ。
どうして簡単な試験なのに合格率が6割に収まるのかというと、理由は単純で、試験勉強をしていない人や、勉強量が足りないまま試験を受けている人が、わたし達が考えている以上に多いためだ。
どの試験でもだいたい半分程度は勉強量が足りないまま受験する人がいる。
合格率が50%以上であれば一夜漬けでもなんとかなる簡単な試験ということになる。
FP3級は合格率60%なので、きちんと勉強をすれば受かる簡単な試験だ。
きんざいの合格率が低い理由
FP3級の合格率をみてみると気がつくが、きんざいの合格率は40%~55%、日本FP協会の合格率は70%~80%となっていて、日本FP協会のほうが合格率が高い傾向にある。
直近の試験の合格率は
- 金財:49.25%
- FP協会:70.61%
という結果になっていて、FP協会の方が合格率が20%ほど高くなっている。
合格率をみると一見、日本FP協会のほうが試験内容が簡単そうにみえる。
しかし実際はそういうわけでもない。
なぜなら、全く同じ問題が出題される「学科試験」の合格率も、きんざいとFP日本協会で20%以上の開きがあるからだ。
直近の学科試験の結果は以下のようになっている。
- きんざい:42.76%
- FP協会: 69.07%
全く同じ問題が出題されているにも関わらず、合格率に20%以上差があるということは、きんざいの受験生はFP協会の受験生と比べて、きちんと勉強している人の割合が少ないということだ。
きんざいの方が受験地の選択肢が多く、受験生も多い。
そのため勉強量が足りないまま試験を受ける受験生の割合がFP協会よりも高くなっているようだ。
試験の難易度自体は、きんざいと日本FP協会で大きな違いはない。
実技試験より学科試験のほうが難しい
試験のデータをみてみるとわかることがもう一つある。
それは実技試験より学科試験の方が合格率が低いということだ。
直近の試験結果は以下のようになっている。
きんざいの試験結果
- 学科試験:42.76%
- 実技試験(個人資産):54.35%
- 実技試験(保険):44.85%
日本FP協会の試験結果
- 学科試験:69.07%
- 実技試験:86.42%
学科試験の方が実技試験に比べてあきらかに合格率が低く、難易度が高いことがわかる。
実技試験は問題数が少なく、1問の配点が3点~4点と高いためヤマカンでも受かる可能性があるが、学科試験は問題数が多く、1問1点なのでヤマカンでは受かりにくくなっているのだろう。
逆に言えば、学科試験が受かれば、実技試験もほぼ受かるということだ。
基礎問題である学科試験で点が取れれば、応用である実技試験でも点がとりやすいという利点もある。
ただし、実技試験は合格率が高いが、1問の配点が高いので凡ミスで落ちる可能性も十分にある。
あまり油断はしないほうがいい。
正直、学科試験で6割とれない(24問以上間違える)のは間違えすぎで、明らかに勉強不足だと思う。
きちんと勉強すれば普通に受かるよ。
FP3級を取得するのに必要な勉強時間
FP3級は簡単な試験なのでそこまで勉強時間は必要ない。
1ヶ月ほど1日1~2時間を目安に勉強すれば受かる。
FP3級は基本的な問題が多いので、もともと保険や不動産などの知識がある人は、それより少ない勉強時間でも受かるはずだ。
FP3級は決して難しい試験ではないが、簡単だからといって、あまりに短すぎる期間で勉強するのはおすすめできない。
「一夜漬けで受かった」という話を鵜呑みにして、なんの知識もないまま一夜漬けをして受けても受かる可能性はかなり低い。
一夜漬けで受かる人は、もともとある程度の知識を持っていたり、学生で試験慣れしている場合が多い。
試験代を無駄にしないためにも、ある程度余裕をもって勉強を開始しよう。
わたしの場合は、5月の試験を受けたが、5月のGW明けから試験日の26日までに、20日程度、1日1~2時間程度勉強をした。
どれくらい勉強時間が取れるかを考えてスケジュールを立てておけば、スムーズに勉強できるはずだ。
FP3級の勉強方法
FP3級は難しい試験ではないので、独学で十分合格できる。
FP3級を独学で合格する勉強方法は非常に単純で以下の通りだ。
- 市販の教科書で勉強する
- 試験前に過去問を解く
市販の教科書、問題集で勉強する
最初はFP3級の内容を理解するために市販の教科書を読んで内容を理解しよう。
(試験慣れしている人や自信がある人は、最初から過去問を解くのもあり)
FP3級は試験範囲が広いので、教科書を隅々まで読んでいると結構時間がかかる。
太字や赤字などに注目して最初はサラッと読んでいき、まずは全体の内容を把握していこう。
教科書を一度読んだら、もう一度読み直して理解していない部分や覚えていない部分を把握していく。
2週目以降は、自分が苦手な部分や間違えやすい部分を潰していこう。
読みっぱなしだと記憶に定着せずに内容をすぐに忘れてしまう。
勉強する時は、前日に勉強した部分を軽く復習して、記憶に定着させていこう。
わたしは市販の教科書しか使わなかったが、大抵セットで問題集も売られている。
効率的に勉強したければ問題集も一緒に購入しておくといいだろう。
過去の教科書を使っても大丈夫?
市販の教科書は毎年販売されているが、基本的には最新の教科書を使ったほうがいい。
これは制度が改定されたり、すでに終了した制度が問題にのっていることがあるためだ。
例えばわたしは「2018‐2019年版」の教科書を使ったが、2018年の9月に終了した国民年金の後納制度(未払いの年金の支払いが5年まで延長される制度)の問題が出題されていた。
これは、わたしが試験を受けたときには覚える必要のない項目だ。
古いテキストは最新の内容が反映しておらず、間違った内容で覚えてしまう可能性があるので、教科書はできるだけ最新のものを利用したほうがいい。
過去問を解く
試験の1週間くらい前になって内容を把握したら、過去問を解いていこう。
過去問は、金財とFP協会のサイトに過去3年分掲載されている。
過去問は試験と同じ形式の問題が出題されるので、試験問題に慣れるためにも必ず解いておこう。
過去問で合格できれば、自信もつくし本番でも確実に合格できる。
わたしは過去問を解いて全て合格ラインを超えていたので「これで本番で落ちたら問題が悪い」と思っていた。
FP3級勉強におすすめの教科書
市販の教科書や問題集は、過去問を元に組み立てているので、どれも選んでも大きな違いはない。
みんなが購入している売れ筋の本を選んでおけば、まず間違いないだろう。
わたしが使ったのは「史上最強のFP3級テキスト」という本だ。
出題されることの多い問題をまとめた「頻出問題チェック集」という薄い冊子が入っていて、問題集のかわりとして使うことができて便利だった。
テキストは最新のものを選んでおけば、はっきりいってなんでもいい。
テキストよりも「しっかりと反復して学習する時間を確保する」ことのほうが大事だ。
FP3級にかかる費用
FP3級の資格を取得するのにかかる費用は8,000円~10,000円程度だ。
FP3級に必要な費用
- 市販の教科書:2,000円程度
- 市販の問題集:2,000円程度
- 学科試験:3,000円
- 実技試験:3,000円
試験代が6,000円に市販の教科書と問題集がそれぞれ2,000円程度となる。
市販の問題集は必須ではないが、教科書は持っていたほうがいいだろう。
過去問がWebサイトで公開されているが、答えだけで解説がまったくのっていない。
過去問だけの勉強だと「どうして間違っているのか」「何が間違いなのか」がわからないままになる。
ネットで検索しても正しい答えにたどり着くまでに時間がかかるので、解説のある教科書を使ったほうが手っ取り早い。
FP3級の試験結果
FP3級の試験を受けて約1ヶ月後に、郵送で結果が送られてくる。
試験結果は合格。
点数は以下のような結果だった。
- 学科:60点中47点
- 実技:50点中38点
凡ミスで失点しているところが多かったが、合格ラインはなんとか超えていたので良かった。
FP3級は試験を受けた日の夕方には模範解答がサイトで発表される。
模範解答をみて自己採点をすれば合格したかどうかは、その日のうちにだいたいわかる。
合格していれば資格取得をした証の「技能検定合格証書」も一緒に送られてくるよ。
FP3級の試験まとめ
- FP3級の合格率は60%程度
- きんざいとFP協会どちらも難易度は変わらない
- 難易度は高くないのでしっかり勉強すれば受かる
- 1ヶ月1日1~2時間勉強しよう
- 市販のテキストは最新のものを使おう
FP3級の試験は決して難しくはない。
きちんと勉強をすれば落ちることはないよ。
FPの資格は独占業務がないので、「すぐに仕事で役立つ」というものではない。
ただ勉強することで資産管理や税制などのお金に関する身近な知識が身につくので、汎用性が高い。
国家資格なので一度取得すれば有効期限もないし、時間があれば取得しておいてもおいて損はない資格だ。
実務経験ない場合、FP2級を受験するためにFP3級は必須となる。
FP2級を受けようと考えている人もまずは3級を取得しておこう。