こんにちは友幸(@humberttomoyuki)です。
最近、食器洗い用のスポンジのかわりに「びわこふきん」を購入して使っている。
今回は、洗剤不要のエコなふきん、びわこふきんについて紹介するよ。
びわこふきんとは?
「びわこふきん」は暮らしの手帖でおなじみの伊藤まさこさんや、料理研究家の有元葉子さんが紹介していることで有名になったふきんだ。
40年以上も前から日本で製造されている「洗剤を使わないでも汚れが落ちる」という触れ込みのふきんだよ。
びわこふきんのメリット
びわこふきんには色々なメリットがある。
簡単に紹介すると以下のような内容だ。
- 洗剤なしで食器の汚れが落とせる
- 洗うことができ乾くのが早いので、スポンジより衛生的
- 洗剤が不要なので手荒れの心配がない
- 洗顔にも使えるので、アトピーの人にも効果的
「ガラ紡糸」で作られているふきん
びわこふきんは「ガラ紡糸」という糸で作られているのが特徴だ。
ガラ紡糸は、糸そのものの太さが均一ではなく見た目はでこぼこしているけど、それが独特の柔らかな手触りを生み出しているのが特徴だ。
ガラ紡機は、もともと長野県の足袋職人である臥雲辰致(がうんたっち)氏が作り出した機械だ。
「ガラ紡」という名前は、糸を作る機械が「ガラガラ」と大きな音をたてることに由来している。
現在は、丈夫で均一な糸が作れる洋式紡績が広まっていったため、ガラ紡工場は衰退してほとんど残っていない。
しかし普通の糸と違い、ガラ紡糸は繊維に力を加えずにゆっくりと作られるので繊維が壊れていない。
その分糸の繊維そのものが水分や油を吸収することができる。
びわこふきんが作られた経緯
びわこふきんは、洗剤を使わない目的で作られたふきんだ。
なぜそのような目的で作られたのかというと、もともとは琵琶湖の環境問題が関係していた。
舞台は1970年代。
高度経済成長期のイケイケどんどんの日本だ。
当時、滋賀県琵琶湖の周りに多くの工場が建てられて、工場排水を琵琶湖に流すようになった。
そして家庭用排水も琵琶湖に流れるようになる。
当時の合成洗剤には大量の「リン」が含まれていた。
リンは熱帯魚のエサに含まれているように、魚やプランクトンのエサになる物質だ。
大量のリンが琵琶湖に流れ込んだ結果、プランクトンが大量繁殖し、1977年に琵琶湖に初めて赤潮が発生した。
その後毎年赤潮が発生するようになり、琵琶湖の環境問題が深刻化する。
そこで琵琶湖の汚染を防ぐために、近所に住む住民たちは合成洗剤を使うのをやめて、かわりにリンが含まれていない石鹸を使う運動を始めた。
その後リンを含む合成洗剤の使用を禁止する条例も施工され、上下水道の整備などによって、琵琶湖の水質汚染は改善していくことになる。
この時の環境運動の一環として生まれたのが、洗剤を使わないで汚れを落とすことのできる「びわこふきん」だ。
ちなみにびわこふきんの「びわこ」は漢字で書くとなぜか「琵琶湖」ではなく「微和呼」と書く。
商標の問題だろうか。
びわこふきんを作る「朝光テープ」について
「びわこふきん」は有限会社朝光テープの登録商標だ。
朝光テープは滋賀県にあるわけではなく、愛知県豊橋市にある小さな会社だ。
60年以上前からガラ紡糸の織物を作っている。
朝光テープという名前の通り、最初は前掛けの紐(テープ)を制作していた。
そして琵琶湖の水質汚染が問題になった時に、もっと生活に身近なものにガラ紡糸を使おうと考えてびわこふきんが作られた。
今でも地元の町工場と連携して、糸の紡ぎ、織り、加工、縫製をして、びわこふきんを制作している。
びわこふきんの種類について
びわこふきんには、3種類の種類がある。
主な違いは以下の通りだ。
名称 | 値段 | 大きさ | 目の粗さ | 主な用途 |
---|---|---|---|---|
びわこふきん | 432円 | 32×35cm | 粗め | 食器洗い、台拭き、汗拭き、手拭き |
和太布 | 734円 | 34×55㎝ | 細かめ | 食器拭き、洗顔タオル |
びわこα | 1296円 | 32×100㎝ | 細かめ | 食器拭き、洗顔タオル |
食器洗い用にびわこふきんが作られ、その食器を拭くために「和太布(わたふ)」と呼ばれる少し大きいサイズのふきんが作られた。
その後、洗顔などに使うためにフェイスタオルのサイズの「びわこα」が作られたようだ。
和太布やびわこαは、びわこふきんよりも目が細かくなっていて、吸水性がより高くなっているよ。
びわこふきんを実際に使ってみた
びわこひきんを購入して、洗剤なしで食器が洗えるかどうか実際に試してみたよ。
びわこふきんは、大阪の淀屋橋にある雑貨屋「コホロ」で購入した。
近くで見ると、糸の太さが不均一で、ぼこぼこしているのがわかる。
黒いのポツポツしたものは、綿実のかけらで汚れではない。
製造する際にできてしまうものなので気にしなくていい。
水で濡らすと、水を吸収してしっとりとした柔らかい触り心地になる。
メッシュ状になっているので、絞るとしっかりと水を切ることができる。
スポンジのかわりとして使ってみた感想
びわこふきんが、洗剤なしでどうして汚れを落とすことができるかというと、普通のふきんは織り目で水分を吸収するけど、びわこふきんは糸そのものが吸収するそうだ。
ということで、びわこふきんで油を使ったフライパンを実際に洗ってみた。
使ってみた結果、洗剤を使った時のような「キュッキュッ」とした感じはないが、洗剤を使わなくても、フライパンの油を落とすことができた。
びわこふきんすげー。
ただし、油ギトギトなものに関しては、一度シリコンヘラなどである程度油を落とした方がいいだろう。
あとスポンジでも同じだが、色がつくトマトソースやカレーなどを洗うとびわこふきんに色移りしてしまう。
普段は洗剤なし、油っぽいものを洗うときは少量の洗剤を使うというように、使い分けするといいかもしれない。
びわこふきんを使えば、食器用洗剤が不要になるので、キッチン周りもすっきりするよ。
汚れたら煮洗いをしよう
びわこ布きんは、洗剤を使わなくても汚れを落とすことができるが、使っているうちに少しずつ汚れてくる。
特にトマトソースやカレーなどの色がついたものを洗うと、すぐに色が付着してしまう。
びわこふきんの色が変わってきたら、煮洗いをしよう。
煮洗いのやり方は、鍋に酸素系漂白剤か石鹸と、水をいれて煮るだけだ。
煮洗いをすると普通に洗うよりも、殺菌と漂白ができるのでびわこふきんを真っ白な状態に戻すことができる。
メーカーは、1週間に1度、石鹸で煮洗いすることを勧めている。
ただし煮洗いは生地を傷めやすいというデメリットもある。
びわこふきんは耐久性があまりないので、頻繁に酸素系漂白剤で煮洗いしていくとどんどん糸が細くなっていく。
糸が細くなってきたら床などの掃除に使っていき、最後はウエスにするといいよ。
洗顔にも使用可能
びわこふきんは、洗顔にも利用できる。
百貨店に行くと、ガラ紡糸で作られたタオルが、「クレンジングオイルなしで化粧を落とす」商品として1000円くらいで売られているが、びわこふきんにも同じ効果がある。
@コスメという口コミサイトの評価も星7中星6と、とても評価が高い。
「洗顔にも、お肌の弱い子どもにも使えます。脂を吸着しやすいので、石鹸なしで顔が洗えて、必要な脂を取ってしまわないのがお気に入りです。」
「それまで、竹布のタオル類を愛用していましたが、こちらの方が、ボディ&顔には、断然!!!いいです! 私は敏感肌なので、24hコスメを愛用していますが、びわこタオルだと、石鹸いらずで、不思議なくらい綺麗に落ちます。」
アトピーや敏感肌などの肌の弱い人に特におすすめのようだ。
洗顔で利用するなら、びわこふきんよりも目が細かい「びわこα」か「和田布」のほうが肌に負担がかからなくてよさそうだ。
サイズ的に、タオルサイズの「びわこα」が一番洗顔に向いた商品だろう。
びわこふきんの取り扱い店舗について
びわこふきんは「洗剤なしで汚れが落ちる」というふきんなので、オーガニック系の商品を取り扱っているお店に置いてあることがある。
ただし、実際に店頭に置いてあるのをあまりみたことがない。
大阪では淀屋橋にある「コホロ」で売っているよ。
取り扱い店舗が少ないようなので、近くにびわこふきんの取り扱いがなければ、ネットで買ったほうがいいだろう。
ネットで購入する場合は、送料無料やメール便に対応しているところを利用するといいよ。
ちなみにAmazonよりも楽天市場の方が送料無料やメール便対応の店舗が多い。
びわこふきんのまとめ
びわこふきんは、有元葉子さんの本で紹介されて以来、品薄状態が続いているようだ。
そのため製造が追いつかず、ネットショップでも数量限定のところもある。
ベターホーム協会の全国の料理教室などでも使われているようだ。
今ではガラ紡工場の数も少なく、今後びわこふきん自体が手に入らなくなる可能性もある。
できれば、長いこと販売して欲しい商品である。
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