ハンバート友幸の庭

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実は簡単! 幸せの法則の4つの因子を理解して、幸福学を実践しよう

こんにちは友幸(@humberttomoyuki)です。

 

今回は本を紹介するよ。

前野隆司著「幸せのメカニズム」という本である。

 

トルストイの小説「アンナ・カレーニナ」には冒頭には「幸福な家庭はみな似通っているが、不幸な家庭は不幸の相もさまざまである」と書かれている。

あまりにも有名なフレーズでよく引用されるので聞いたことのある人も多いはず。

 

このフレーズ通り、わたしたちの不幸の原因は様々だが、幸せな家庭を思い浮かべると、「家族や仲の良い友人たちと笑顔で話している」というイメージが浮かんでくるのではないだろうか。

 

幸不幸はどちらも主観的な感覚だが、不幸に比べて幸せのイメージは他人と共有しやすい。

つまり幸せには人類に共通する普遍的な要素、法則があるのである。

その基本的な幸せの法則を理解して実行すれば幸せになることができる。

それではその幸せの法則とはどういったものだろうか?

 科学技術は進歩したけどみんな幸せになったの?

本題に入る前にまず確認しておくことがある。

わたしたちの世界では日々技術の進歩により、人々の、特に、先進国の暮らしは間違いなく豊かになっている。

 

コンピュータにはトランジスタの性能が上がっていき、1年半でコンピュータの性能が2倍になるという「ムーアの法則」と呼ばれる法則がある。

ムーアの法則はトランジスタが原子の大きさになったところで止まるのだが、まだまだそこまでの域には到達していない。

そのため今後も、どんどん機械の性能は上がり、高速化、高性能化は進んでいくだろう。

わたしたちの生活はそんなめまぐるしいスピードで技術進歩を続けている中で営まれている。

 

過去の人類に比べて、生活は確実に便利になったはずだ。

白物家電で家事の時間は大幅に短縮され、重労働であった家事から解放された。

小さなパソコンとも言えるスマートフォンなどの小型デバイスを使って場所に関係なくいつでもゲームを楽しむこともできる。

科学の恩恵は私たちの生活を豊かにしているように見える。

 

しかし、残念なことに幸せと関係性の高い生活満足度については終戦直後と現在の日本を比較しても変わっていない。

このことは技術進歩は幸せとは何の関係もないということを示している。

客観的には豊かになっているにも関わらず、主観的には幸福だと感じていないのである。

 

科学技術と同じように、経済の指標であるGDPも50年前の6倍になった。

このことは経済的にもわたしたちは豊かになっていることを示している。

しかし科学技術の進歩の恩恵と同じく経済的な豊かさによってm私たちの生活満足度は変わっていないのだ。

幸せはダイエットに似ている

幸せはダイエットに似ている。

ダイエットでまず初めに理解することは、人間の体の仕組みである。

なぜ人の体は太るのか? どうすれば痩せるのか?を理解することが大事。

 

例えば、「痩せたくて食事を食べないで急激に体重を減らしても、筋肉が衰えて代謝がさがるのでリバウンドしやすくなる」とか、「食事において脂肪を取らなくてもカロリーオーバーすれば炭水化物などのカロリーオーバー分は脂肪に変わる」とか「有酸素運動を20分以上続けると脂肪の燃焼の割合が増える」といった知識があることが必要である。

気合いだけで人は痩せないのだ。

 

幸せもダイエットと同じように、まずは基本的な特性を理解する必要がある。

そしてダイエットと同じように理論を覚えるだけでなく、実践する必要がある。

 

基本を守ってダイエットをすれば確実にやせるように、幸せの法則をまず理解して、それを実践すれば、確実に幸せになることができる。

幸せの法則の特定は難しい

わたしたちは様々な思い込みによって、判断を誤ってしまう。

幸せの法則についてもそれは当てはまる。

私たちが幸せだと思っているものが、実は幸せになるために必要などころか害にさえなるのである。

 

例えば、地位、名誉、物欲など他人と比較する幸せは長続きしない短期の幸せをもたらすものであり、反対に他人と比較しない安心できる環境などは長期の幸せをもたらす。

しかし実際のわたしたちを見てみるとどうだろう。

地位や名誉、物欲を求めて行動しているのではないだろうか。

わたしたちは短期的な幸福しかもたらさないものを幸福の源泉だと考えがちであり、短期的な幸せに目を奪われがちである。

 

短期的な幸せの追求は、無理なダイエットをしてすぐにやせようとしているのと同じである。

無理なダイエットの先にあるのは、リバウンドや体調不良であるにも関わらず「とにかくやせたい」という短期的な目標のせいで無理をしてしまう。

 

こういった人間の思考の癖を理解しないと幸せにはなれない。

 それでは何故判断を誤ってしまうのか?

 

それは幸せは「幸せと一見関係ないように見える別のアクションを取ることで起こる」からだ。

ダイエットと幸せは似ているが、違う部分もある。

 

ダイエットは突き詰めていけば、消費カロリー>摂取カロリーという比較的単純なメカニズムでできている。

しかし幸せは、「幸せを直接目指すのではなく、別のアクションを起こすことでなぜか幸福がやってくる」という間接的な方法で手に入るのだ。

 

そのため幸せはわかりにくい曖昧なものになってしまっており、幸せの法則はわかりにくいものになっている。

幸せの法則を見つけるための研究

幸せの法則を見つけるために、理系の著者は、モデリングの手法を幸せに適応して、ものごと全体の挙動を把握し、細かい枝葉を捨てることで、本質的な部分を再現して幸せの法則に必要な要素を抽出することにした。

天気予報のようなもので、シミュレーションを行い幸せの動きを予測することで基本的な動きを理解することができるのだ。

基本的な幸せの法則がわかれば、あとはその振る舞いを真似して実行すればいい。

 

具体的には、幸せに影響があるとわかっている要因をピックアップして、アンケートを作成し、29項目87個の質問をインターネットで1500人にアンケートを取って答えてもらった。

その答えをコンピュータにかけて因子分析を行う。

 

その結果、幸せに関係のある4つの因子を分類することができた。

幸せの法則である4つの因子

幸せに関係のある4つの因子を分類して名前をつけた。

  • 「やってみよう!」因子
  • 「ありがとう!」因子
  • 「なんとかなる」因子
  • 「あなたらしく!」因子

やたらキャッチ―なフレーズだがなんとなく意味は伝わると思う。

それではそれぞれの因子を見ていこう。

幸せの第1因子「やってみよう!」因子

幸せの法則第1の因子は「自己実現と成長の因子」だ。

 

自己実現や成長というと、馬の目を抜くような競争社会を生き抜け!と言われているように思われるかもしれないが、先に話した通り、地位や名誉、物欲などは短期的な幸せしかもたらさない。

そういった画一的な意味で他人を負かすことによって自己実現や成長をするのではなく、もっと多様な自己実現、成長を目指すべきだと語っている。

 

それぞれが自分の興味に応じて好きなことに打ち込んで、その価値観の中で新しいことを知ったり、充実感を得ることが「自己実現と成長」である。

 

例えば松尾芭蕉という有名な俳人がいる。

 

「古池や蛙飛び込む水の音」

 

誰もが効いたことのある有名な俳句だ。

彼は質素な生活をし、日本を旅しながら、優れた自然への観察力と感性で日常にあるものを繊細に詠う俳句をたくさん残している。

 

彼のような、「小さな虫や草などを愛する繊細な力」の成長を自己実現と成長としてもいいのである。

 

この因子はわたしの解釈だと、ようは「世界に一つだけの花」である。

ナンバーワンよりオンリーワンになれということだ。

 

大事なのは自己実現と成長の「結果」幸せになるのではなく、自己実現と成長を目指すこと自体が幸せになる点。

自分が自己実現と成長を目指しているのであれば、対象は何でもいいのだ。

自分な好きなことに打ち込むのがいい。

幸せの第2因子「ありがとう!」因子

幸せの法則の第2の因子は「つながりと感謝の因子」だ。

第1因子が自己実現と成長など自分に向かう幸せだったのに比べて、ありがとう!因子は他人に向かう幸せであるといえる。

 

第2因子はまわりとの安定した関係を目指す幸せともいえる。

「つながりと感謝」を大事にすることで幸せになる。

 

幸せの研究は卵と鶏の関係があって、幸せになった結果このような因子を持っているのか、因子を持っているから幸せになるのかわかっていない。

幸せと幸せの因子の原因と結果の関係がはっきりしないのだ。

 

しかし因果関係はループしているので、「積極的に幸せの因子を実行すれば幸せになるのだから目指していった方がいい」というのが本書の立場である。

 

わたしはよく、誰かと会う約束をしていたが、おっくうになってきて断ってしまおうかと考えてしまうことがある。

見知らぬ人がいるのならなおさらおっくうだ。

 

こういうとき、幸せになりたいのであれば、積極的に人に会いに行ったほうがいい。

「つながりと感謝」を実践することが幸せをもたらすので、一歩を踏み出して会うだけであなたは幸せになれる。

 

また、友人も数多くの友人を持つのではなく、多様な友人を持つほうが、幸せになれる。

年齢、趣味、性別、職業などが違う多様な友達がいるほうが、幸福度は高くなる。

仕事や地域のつながりだけでなく、趣味などの他のジャンルでも友達を作ることで幸せになることができる。

 

書を捨てよ町へ出よう。

幸せの第3因子「なんとかなる」因子

第3の幸せの法則は因子は前向きと楽観である。

ポジティブシンキングだ!

 

前向きと楽観であること自体が幸せにつながる。

これは納得のいく幸せである。

 

例えば、多様な選択肢がある場合、細かいところまで吟味する人と、細かいことは気にせずに買う人では、後者の方が幸福度は高くなる。

家電製品を買うときに製品スペックを詳細に吟味して比較したあとに、価格.comで値段をチェックしてから、近くの家電量販店で安くならないか交渉したりするよりも、突然行った店で値段も予算内であれば買ってしまう人のほうが幸せなのだ。

 

わたしはどちらかというと、じっくりと吟味してから値段の安い店を探して買うので前者にあてはまる。

たしかに多様な商品の中からの選択は疲れる。

選択肢が多くなると満足度が下がるというのは以前に紹介した。

現在は、ものをできるだけ買わないようにして、選択する機会自体を減らしているので、以前に比べれば、幸せになっているはずである。 

後ろ向きな人が前向きになる方法

後ろ向きな人はあれこれ考えたり、起こりもしない未来を想像して悲観することが多いはずだ。

杞憂。

 

さまざまなネガティブな想像力を無駄に働かせているため、後ろ向きな人はメタ認知能力が高いはずだ。

 

メタ認知能力とは自分を俯瞰して客観視してみる能力のことだ。

もう一人の自分が自分を見ているような視点を持っていることである。

 

ネガティブな人はポジティブな人に比べて細かいところに目が行くので、自分の部分的な欠点やあらを探してしまうことがうまくなる。

そのためネガティブに拍車がかかる。

 

このメタ認知能力を逆にうまく利用することで、前向きになることができる。

自分を分析する能力を使い、客観視して意識的に人と関わったり、ボランティアに参加したりすることで、徐々にポジティブになっていく。

 

身体的にも、上を向いて歩いたり、笑顔を作るだけでも楽しい気持ちになるように人間の体はできている。

楽しいから笑顔になるのではなく、笑顔を作ると楽しくなるのだ。

自尊心が邪魔をして「そんなのかっこ悪い」と考えている人がいるかもしれない。

そういう人は「あえて」行なっているのだと、考えよう。

 

幸せになるために、利己的に、自分のために「あえて」かっこ悪いことを行うのだ。

宮台慎司みたいなことをいっているが、自尊心の高い人はこの「あえて」戦略を取り入れてほしい。

幸せの第4因子「あなたらしく!」因子

幸せの法則の第4の因子は「独立とマイペースの因子」だ。

日本人を含む東アジア人はアメリカ人に比べて「人の目を気にする傾向が高い」

いわゆる空気を読むというやつだ。

 

他人との調和を思いやる点で日本社会は優れているが、その分同調圧力が強い。

抑圧されている部分をもう少し出すことで幸せになることができる。

しかしただ自分勝手にふるまえばいいわけではない。

 

他人の目が気になる人は、自意識過剰で引っ込み思案な人が多いはずだ。

そういった人は先ほども述べたメタ認知に能力が高いはず。

自分が他人にどう思われているのかを考えることができるので、時と場合に応じて同調するところは同調していき、マイペースになるところはマイペースになる。

 

このマイペースも幸せになるために「あえてマイペースにふるまう自分」を演じる。

そうすることで、少しずつ本当にマイペースになっていく。

笑顔になると楽しくなるのと同じ原理で振舞いを変えることで、次第に振る舞いどおりの人間になっていく。

 

はじめからマイペースな人はマイペースをそのまま貫けばいい。

まとめ

幸せの法則を知り、実践することで人は幸せになることができる。

普遍性の高い要素なので、自分は実践できていないと思ったのなら試してみよう。

別に失うものは何もない。

 

一見幸せに関係ないことが幸せと関係があり見えにくいこともあるが、以上の4つを実践すれば、昨日よりも幸せになることができる。

 

また、以前にブログで書いた積極的に行動することで幸せになるという結果と重なる部分もある。

ついでに言っておくと、あくまでもこの4つの幸せの因子は「現代の日本人に適応した」基本的な要因であり、この基本的な要素に加えて、それぞれの細かな幸せの要因が加わることになる。

 

幸せの法則の中で取り入れられそうな部分があれば、まずは簡単な部分から実践すればいい。

徐々に幸せになっていくことができるよ。

 

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