こんにちは友幸(@humberttomoyuki)です。
キャンプではそのまま地面に寝ると寝心地が悪いので、寝袋の下にマットを敷いて寝るのが常識だ。
マットにはクローズドセルやエアマットなどの種類がある。
今回はクライミットの「イナーシャXフレーム」という軽量なエアマットを購入したので紹介するよ。
クライミット「イナーシャXフレーム」のスペック・基本性能
- 名称:イナーシャXフレーム
- メーカー:クライミット(KLYMIT)
- サイズ:183cm×45cm
- 収納サイズ:7.62cm×15.2cm
- 素材:表30Dポリエステル、裏75Dポリエステル
- 重量:本体232g、付属品込み276g
- R値:不明
「イナーシャXフレーム」は、アメリカのメーカー「クライミット(KLYMIT)」のエアマットだ。
クライミットは、寝袋の下に敷くのではなく寝袋の中にいれて使用する独自のエアマット「イナーシャシリーズ」を展開している。
イナーシャXフレームはその1つで、2011年には
イナーシャXフレームは、大胆に肉抜きした骨のような独特の形状をしているエアマットで、この隙間に寝袋のロフトが入りこむことで寝袋のロフトが潰れずに保温性を維持することができる構造になっている。
肉抜きをすることで従来のエアマットよりも軽量になっているので、装備の軽量化を考えている人におすすめのエアマットだ。
イナーシャXフレームの3つのメリット
フルレングスで232gと非常に軽量
イナーシャXフレームは、レギュラーサイズ(全長183cm)で232gと非常に軽量だ。
公称値は258gとなっているが、実際に本体の重さを量ってみたら232gだったので、26g軽量だった。
付属のポンプは単品で重さ22g。
付属のスタッフサックやリペア生地もすべてあわせても合計276gだ。
エアマットはレギュラーサイズで400g程度の製品が多いので、比べると半分近い軽さになる。
イナーシャXフレームは肉抜きされて大幅に軽量化しているので、持っていっても負担になることがない。
コンパクトに収納できる
イナーシャXフレームは、エアマットなので空気を抜いて折りたためば、非常にコンパクトに収納することができる。
サーマレストの「Zライトソル」に代表されるクローズドセルマットは、重さが軽いものもあるが、エアマットのように小さくはできないのでどうしてもかさばってしまう。
イナーシャXフレームは、コンパクトに持ち運びできるので持ち運びするときもじゃまにならない。
単体で使うこともできるし、クローズドセルマットと組み合わせて防寒性を上げるといった使い方ができるので便利だ。
簡単に膨らませられる
イナーシャXフレームは口で3回ほど空気を入れればすぐに膨らむので、膨らませるのが非常に簡単だ。
空気を入れるやり方は簡単で、まず頭側の右端に取り付けてあるバルブを手前に引っ張って空気が入るようにする。
次に息を3回ほど吹いてエアマットを膨らませたあと、バルブを押して空気が漏れないように閉じる。
これでエアマット全体に空気が入る。
最後に細かい空気を全体をより膨らませるために、反対側についているバルブに付属のポンプを取り付けて、50回ほど空気を送ってやる。
最後にバルブのフタをつけたら完成だ。
これで全体を膨らませることができる。
肉抜きしてある分、すぐに膨らませられるので空気を入れるのが楽ちんだ。
イナーシャXフレームの3つのデメリット
横向きでは寝られない
イナーシャXフレームは、仰向けに寝ることを前提に肉抜きがされているので、横向きでは寝るのが難しい。
横向きで寝れたとしても、側面の狭い範囲でマットに圧力がかかってしまうので、マットのロフトが潰れてしまい、保温性が下がってしまい、冷えを感じてしまう
横向きに寝るのが習慣化している人には向いていないマットだといえる。
使える身長や体型が限られてくる
イナーシャXフレームは、肉抜きしてある関係上、頭や腰を置く位置がある程度決まっているため、うまくフィットする身長に制限がある。
身長が175cm程度の人にあわせて作られているため、身長の低い人だとうまく合わないし、全長183cmなので、身長が高い人だとはみ出してしまう可能性がある。
幸いわたしはちょうど身長が175cmくらいなので問題なかった。
また横幅も45cmとかなり短く、寝袋の中にいれて使う構造上、寝袋の中が狭くなるので、大柄な人は窮屈に感じるだろう。
そのため寝袋の中にいれずに、普通のエアマットのように寝袋の外に置いて使っている人もいるようだ。
キルトシェラフとは相性が悪い
イナーシャXフレームは、キルト型の寝袋と相性が悪い。
キルトは「布団」という意味で、「背中のダウンは潰れて保温性がなくなってしまうんだから、最初からいらなくない?」というUL系の思想のもと、最初から背中側のダウンが省かれている。
キュムラスの「X-LITE」やハイカーズデポの「Down Bag」、ナンガの「UDDキルト」などがキルトシェラフになる。
イナーシャXフレームは大胆な肉抜きを行うことで軽量化しているが、その隙間に寝袋のダウンが入ることによって防寒性を損なわないように作られている。
しかしキルト型の寝袋は掛け布団のように上にかけて使用するため、そもそも背中にダウンがない。
そのためXフレームを使うと、ただ隙間があるだけになってしまいそこから冷気が入ってきてしまう。
冷気を遮断するためにクローズドセルマットを別に投入すれば使えるかもしれないが、それなら最初から普通の寝袋を使うか、キルトにあわせて隙間のないエアマットを買ったほうがいいだろう。
クライミット「イナーシャシリーズ」
イナーシャXフレームライト
イナーシャXライトフレームを腰までの長さにカットして軽量化に特化したモデル。
足元部分にはマットがないので、ザックを下に敷いたり足を突っ込んだりして使う。
イナーシャXライトフレームより公称値で85g軽くなっているので、より軽量化を図りたいならこちらのモデルがおすすめだ。
イナーシャ オゾン
イナーシャXフレームの肉抜きを少なくした枕付きモデル。
イナーシャXライトよりも肉抜きが少ないので重量は100gほど増えるが、その分一般的なエアマットに近い感じで使えるので、寝心地がよくなっている。
横幅もイナーシャXフレームより10cm長く55cmになっているので、大柄な人でも使いやすい。
軽さがありつつも寝心地も大事という人におすすめだ。
インシュレーテッドイナーシャXフレーム
イナーシャXフレームの保温性を高めて冬でも使えるようにしたモデル。
エアマットの内部に化繊中綿の「プリマロフトゴールド(60g/㎡)」が注入されていて、空気の対流を防ぎ、保温性を高めてある。
長さもイナーシャXフレームよりも短くして肩までの長さにしてあり、首元をしっかりと閉じられるようになっている。
重量はイナーシャXフレームより約30g重たくなるが、保温性が上がるので寒冷期でも使用できるオールシーズンモデルになる。
イナーシャXフレームを冬にも使う予定がある人におすすめのモデルだ。
現在はアマゾンや楽天では売っいないので、ハイカーズデポから購入するといい。
Hiker's Depot|ハイカーズデポ » Insulated Inertia X Frame
イナーシャXフレームまとめ
イナーシャXフレームは大胆に肉抜きしてある独特の形状をしたエアマットだ。
肉抜きをしている分非常に軽量だが、 身長や体型などによって使い心地が大きく替わる製品でもある。
使う人を選ぶ尖った製品なので万人におすすめというわけではないが、軽量なエアマットを探している人なら、候補の1つに入る製品だろう。