こんにちは友幸(@humberttomoyuki)です。
今回は読んだ漫画を紹介するよ。
益田ミリ著「週末、森で」という作品。
働いて、リタイアした後は田舎暮らしの生活をしてみようかと思う人も多いのではないだろうか。
この本はリタイアをしたわけではないが、ふとしたきっかけから田舎に引っ越すことになった女性と、友人2名の田舎での生活を描いた漫画。
友人二人は都会に住んでいるので、週末に森に遊びに来る。
そのため「週末、森で」というタイトルになっている。
それでは本の紹介にいってみよう。
作者 益田ミリとは
益田 ミリ(ますだ みり、1969年 - )は、大阪府生まれの日本のイラストレーター、漫画家、エッセイスト。
京都芸術短期大学卒業。デザイナーを経てフリーのイラストレーターとなる。2001年に『OLはえらい』で漫画家デビューし、2006年の『すーちゃん』で注目を浴びる。2011年、『はやくはやくっていわないで』で第58回産経児童出版文化賞産経新聞社賞受賞。2013年には『すーちゃん』シリーズが『すーちゃん まいちゃん さわ子さん』のタイトルで映画化された。‐wikiより‐
益田ミリさんは独身女性の生活を描いた作品をたくさん出版している。
わたしは独身男性の書店員が働く姿を描いた「オレの宇宙はまだまだ遠い 」を読んで彼女のことを知った。
独身の人を描くのが得意な作家。
軽いタッチの画風で、普通の人の働いている日常を描きながら、ふと感じる詩的なこと、答えのない哲学的なことを登場人物が口にする印象がある。
「週末、森で」のあらすじ
思い切って田舎に引越してみた翻訳家の早川さん、経理部ひとすじ14年、「仕事ができる女」のマユミちゃん、接客の仕事を始めて、少し人間が嫌いになった せっちゃんの女3人が、てくてく森を住く!畑を耕すわけでも、ナチュラルライフでもないけれど…てくてく歩けば毎日がキラキラ。
「思い切って田舎に引っ越した」とあらすじにあるが、実際はそんなに思い切ってない。
主人公の早川さんは、おいしいものが食べたくなったら都会に戻るかもしれないといっている。
他にも「一生ここに住むの?」という質問に「一生を語るにはわたしたちは若すぎる」と言っている。
あくまで成り行きとして始めた田舎暮らしなのである。
「週末、森で」を読んでみて
この漫画には三人の女性が登場する。
- 主人公の、翻訳家早川さん。
- 早川さんの友達で、経理部で働くマユミちゃん。
- 同じように友達で、旅行代理店で働くせっちゃん。
彼女らはみな35歳で独身の女性たちだ。
酒井順子にいわせれば「30代以上・未婚・子ナシ」の彼女らは「女の負け犬」にあたる。
そんな彼女たちが週末を田舎で過ごす話である。
主人公の早川さんが、雑誌の読者プレゼントでハイブリッドカーが当選したのがことの発端。
都会は駐車場の料金が高いので田舎に引っ越すことにする。
幸い早川さんはフリーランスの翻訳家なので、場所はあまり気にせずに仕事ができる。
うらやましい。
田舎暮らしについてのイメージ
みんなは田舎暮らしというとどういう生活を想像するだろうか。
家庭菜園で野菜を作って、山の近くで生活すると考えている人が多いのではないだろうか。
このテンプレ的なイメージのちゃぶ台を早川さんはひっくり返す。
早川さんは、山付近などではなく駅の近くに住み、野菜を作ったりもせずお取り寄せで購入している。
そして週末にくる友人マユミちゃんとせっちゃんの都会のおみやげの食べ物を楽しみにしているのだ。
試しにハンモックをやってみても「大して楽じゃない」と言い放つ。
吉祥寺にあるハンモックカフェに並んでいる人が聞いたら憤慨するだろう。
彼女はもともと田舎で農業をしたい、とかそういう理由で田舎に住んでいるわけではない。都会の生活から田舎に移ってきた人にとってはこちらのほうがリアリティがあるだろう。
話の流れ
話の流れとしては、
週末森で過ごす→2人の友人が都会での仕事でイライラする→週末に森で過ごした時に、早川さんが言った素敵ワードを思い出して、頑張ろうと思う。
こういう流れになっている。
独身で会社で働き続け、お局さんのポジションを獲得しているOLの都会で働いていく上でのしんどさを軽いタッチの画風で描いている。
世知辛い世の中である。
まとめ
田舎暮らしの本ではあるが、田舎礼賛のような雰囲気はあまりない。
早川さんは、家庭教師や着付けの先生の仕事をして生活の足しにしているが、人との 関りが濃厚になると今度は人間関係のわずらわしさがでてくることだろう。
早川さんのゆる~いキャラと、ちょっと臭いセリフを聞きながら、都会から田舎に引っ越した暮らしって案外こんなものなのかなと感じるそんな一冊。