こんにちは友幸(@humberttomoyuki)です。
先日、アニメ「やはり俺の青春ラブコメは間違っている」(通称俺ガイル)2期をAmazonプライムで観た。
しかし最終話の最後の観覧車を降りた後のくだりの意味があんまりわからなかったので、考えてみたよ。
1年前のアニメだから大丈夫だと思うけど、ネタばれありなので気を付けて。
知らない人はスルーしてね。
後一切原作のライトノベルは読んでいないので、そっちで話が進んでたら悲しい。
俺ガイル最終話の由比ヶ浜結衣の言葉
まず気になる結衣の言葉はこちら。
あたしは全部欲しい。今も、これからも。あたし、ずるいんだ。卑怯な子なんだ。あたしはもう、ちゃんと決めてる。もしお互いの思ってることがわかっちゃったら、このままっていうのもできないと思う。あたしたちの最後の依頼は、あたしたちのことだよ。ゆきのんの今抱えている問題、あたし答えわかってるの。たぶんそれが、あたしたちの答えだと思う。それで、あたしが勝ったら全部もらう。
ずるいかもしれないけど、それしか思いつかないんだ。ずっとこのままでいたいと思うの。どうかな?ゆきのんそれでいい?
もう意味わかんないよ。
何言ってるのこの子。
最終話だし、主人公八幡に好意を寄せる、雪乃と結衣が八幡に同時に告白でもして、八幡が雪乃と結ばれて終わるんでしょうと思っていたが、全然そんな展開にならなかった。
ライトノベル終わってないし、当然か。
細かく考えてみる。
ごちゃごちゃするけどごめんね。
結衣にとっての最高/最低な状況
そもそも結衣の最高な状況はなんだろうか?
それは
- 八幡と恋人関係になる
- 雪乃とも友達
- 奉仕部を継続する
ことだろう。
要は、八幡との関係だけが変化し、後は変化しないという状況。
- 八幡と恋人関係になる→変化
- 雪乃とも友達→変化なし
- 奉仕部を継続する→変化なし
結衣が八幡に好意を抱いているのは、俺ガイルを通して観れば明らかだよね。
もともと奉仕部に来たのもクッキーを作って八幡に渡すためだし。
次に結衣にとっての最悪の状況はどうなのかというと、
- 八幡と恋人になれない
- 雪乃と友達でなくなる
- 奉仕部解散
である。
要は、先ほどと逆の状況である。
雪乃、奉仕部との関係が変化する。
- 八幡と恋人になれない→変化なし
- 雪乃と友達でなくなる→変化
- 奉仕部解散→変化
結衣にとっての妥協点
しかし、世の中そんなにうまくはいかない。
雪乃も結衣と同じく、八幡に好意を寄せている。
八幡にチョコレートを渡そうとして渡せない雪乃を見ているしね。
そして、空気を読むことに長けている彼女は、恐らく自分では雪乃にかなわないと気づいている。
結衣は八幡と雪乃が恋人関係になり、奉仕部での居場所を失くし、雪乃と友達ではなくなる状況を恐れている。
それは、結衣にとっての、最悪の状況だからだ。
そこで結衣は妥協点を探すことになる。
それが「変わらない」という選択。
- 八幡との恋人関係→変化なし
- 雪乃との友人関係→変化なし
- 奉仕部という居場所→変化なし
この3つの関係性が変化しないということは、結衣にとってベストではないかもしれないが、ベターな選択になる。
そこから出た言葉が
ずっとこのままでいたいと思うの。どうかな?ゆきのんそれでいい?
である。
そしてここに雪乃の問題が絡んでくる。
雪乃の問題
雪乃の抱える問題とは何か?
アニメを観る限り一番最初に考えられるのは、雪乃に「自分がない」ことだろう。
雪乃は優秀な姉、陽乃の後姿を追いかけて育ってきている。
いつも正しい姉や母親の指示通りに育ってきたため、自主性というものが育まれなかった。
そのため雪乃には自分の考えというものがない。
13話の陽乃の言葉がそれを端的に表している。
陽乃「雪乃ちゃんに自分なんてあるの? 今まであたしがどうするかを見て決めてきたのに。自分の考えなんて話せるの? 雪乃ちゃんはいっつも自由にさせられてきたもんね。でも自分で決めてきたわけじゃない。今だってどう振る舞っていいかわかってないんでしょ? 雪乃ちゃんは、一体どうしたいの?」
そもそも俺ガイルの舞台である奉仕部という部活も自分で自主的に動くのではなく、誰かに依頼されて初めて活動できる部活動である。
他人のための行動という理由付けがなければ雪乃は行動することができない。
八幡に依存している?
また11話で葉山が雪乃は姉の後姿を追わなくなっていると言っているが、それだけで自分がないという問題の解決にはならないようだ。
葉山「やっぱり彼女は少し変わったな。陽乃さんの影は追っていないように見える。けど、それだけのことでしかない。」
自分を持たない雪乃は姉の代わりに自分のロールモデルとなる人間を探さなければならない。
12話で陽乃は雪乃の八幡への信頼を「ひどいなにか」と呼んでいる。
そ、あれは信頼とかじゃないの。もっとひどいなにか。何も変わってない。それでいいと思っているのよね、あの子は。そこがまあ可愛いところでもあるんだけど、そこがすごく気に入らない。」
今まで考えないようにしていたことを、雪ノ下陽乃は突きつけるのだ。それは信頼などではない。もっとひどい、おぞましい何かだと。
この「ひどいなにか」は八幡への依存心ではないだろうか。
その依存心が信頼のようなかたちを取っているように見える。
雪乃は変わったのではなく、ロールモデルを切り替えただけだ。
それでは姉の後姿を追いかけていた時と何も変わらない。
成長譚としてはこれが雪乃の乗り越えるべき障害だろう。
そう考えると、雪乃の八幡への好意も結衣と違ったものになってしまうのだが、そうなると収拾がつかなくなるので、雪乃は八幡に好意がある前提でいく。
いや、だってヒロインだし。
本物と偽物
ずるいかもしれないけど、それしか思いつかないんだ。ずっとこのままでいたいと思うの。どうかな?ゆきのんそれでいい?
一見、同意を求めているように見えるセリフだが、雪乃の「自分がない」問題と考えるとこれは強制的な意味を持つ。
それをわかって結衣は雪乃に同意を求めている。
妥協案として、今の関係を継続させようとし、雪乃に同意を強制させようとしている自分のことをずるいと言っているんだろう。
しかし、同意は結局、八幡に否定されることになる。
それに、そんなのただの、欺瞞だろ。曖昧な関係とか慣れ合いの関係とか、そういうのはいらない。
八幡は「本物」を求めている。
それは「お互いが相手のことを分かりたいと思う関係」だ。
雪乃はそれを「分からない」といった。
雪乃と本物の関係を築くためには、雪乃の自主性を快復し、相手を分かろうとしなければならないだろうけど、それは後の話だね。
反面、結衣は、本物でなくても今の関係性が壊れるくらいなら、本物じゅなくてもいいと考えている。
欲しいものがある。でも頭がいいわけでもないし、ずるいから。自分の答えはひとつだけ。だけど、それはきっと望まれている答えじゃないんだと思う。欲しいものと望まれているものはとっても良く似ているのに、なんでこんなに違うんだろう。本当は、嘘でもいいのに。
欲しいもの(今の関係性)と望まれているもの(本物)は全然違うものだった。
しかし、葉山たちリア充グループのように傷つかない関係性を結衣も選んだ。
結衣の言葉を再度確認
色々書いて再度、結衣の言葉を見てみる。
あたしは全部欲しい。今も、これからも。あたし、ずるいんだ。卑怯な子なんだ。あたしはもう、ちゃんと決めてる。もしお互いの思ってることがわかっちゃったら、このままっていうのもできないと思う。あたしたちの最後の依頼は、あたしたちのことだよ。ゆきのんの今抱えている問題、あたし答えわかってるの。たぶんそれが、あたしたちの答えだと思う。それで、あたしが勝ったら全部もらう。
ずるいかもしれないけど、それしか思いつかないんだ。ずっとこのままでいたいと思うの。どうかな?ゆきのんそれでいい?
うん、やっぱり意味わかんない。
どの言葉がどの言葉とつながっているのかわからない。
日本語難しい。
まず、雪乃の問題=「自分がない」問題だとすると、意味が通じない。
「あたしたちの答え」=「ずっとこのままでいたいと思う」だとすると、おかしなことになる。
問題は解決しない。
一応、雪乃の問題が「自分がない=八幡に告白できない」という問題の場合、「ずっとこのままでいる」選択すれば、問題は宙づりになり解決することになる。
ラブコメだしそういう話?
自分がない原因の結果、八幡に告白できないのであって「自分がない=八幡に告白できない」ではないけどね。
最終的に「自分がない」問題の答えが「雪乃が主体的の獲得、依存からの脱却」だとすると、その答えが出ることによって、
- 雪乃成長→「本物」が手に入る→大団円
てな感じで終わりそうだけどどうなんだろう。
あと、結衣は「全部ほしい」って言っているのに、妥協案を出しているっているのも、おかしな話だね。
全部っていうのは、3人が友達でいて、奉仕部も継続という意味なんだろうか。
結衣は主人公の意見に対立するキャラとして成長したってことしか分からなかった。
まとめ
結局まとまらないまま終わってしまった。
2期が終わって、ひとまず主要キャラのうち1人の依頼が終わって、主人公とヒロインの依頼が残ったかたちになった。
後は続編でどうなるかわかるでしょう。
俺ガイルが気になった人は、Amazonプライムで観てみてね。
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